僕は、就職活動中、会う人と大学名の話題が出るたびに嬉しくて仕方ありません。ああ、自分は天下の慶應ボーイなんだと思うと嬉しくて笑いが止まらないのです。
また僕達の前に挑戦しようとする無謀なチャレンジャーが現れたか、、そう思うと、我慢する事ができないのです。
圧倒的エリートである僕達、、、、そんな、僕達天下の慶應ボーイの前に大学名を聞こうなんて笑止千万です。
大学はどこですか?ときかれたら「はい、慶應大学です」の一言で 尊敬の眼差し。その一言で会話は終了です。
余計な説明は一切要らないなんて素晴らしく、簡潔明瞭な会話なのだ、、、相手は自分と僕達のあまりの格差に次の言葉が消えてしまったのです。
なんて可愛そうな人達でしょうか、、、、、、、しかし、同情の余地はありません。
なぜならその仕打ちは、最高のエリートである僕たち慶應ボーイの前に大学名を聞くそんな馬鹿共に対する制裁という意味合いがあるからなのです。
小さくなって、絶望に打ちひしがれている相手を尻目に上から見下ろして笑いをこらえている僕達!天下の慶應ボーイ自分より遥か格下にいる者に対して優越感に浸るのは最高の気分です。まさにそれは快感としか言い様がありません。
しかし一方で僕達が我慢しなければならない問題もあるのです。
それは相手が心に抱いたコンプレックスを感じ取り、笑いを抑えるのを必死で我慢する事です。
笑いで顔が緩むのを防ぐ事は大変な作業です。口で言うより大変な我慢なのです。しかし、それは、僕たち慶應ボーイだけに課せられた使命なのです。
僕たち慶應ボーイはそんな彼らを踏み台にして日々成長するのです。間違いなく数年で彼らを指先一つで首に出来る様なまでの圧倒的な存在となっていきます。
「ああ〜、なんて素晴らしい慶應大学阿。僕は、思わず感動で胸が熱くなり、武者震いを禁じ得ませんでした。まさか、他の大学生は僕たちに踏み台にされる為にこの世に生まれてきたというのでしょうか? 彼らはそのためだけに生きているのでしょうか?
なんて悲惨で不幸な彼らだろう、、、、しかしそれも仕方ないことなのでしょう。
エリートの僕達の前では周りの大学など道端の雑草にすぎないのです。ああ最高だ、最高の慶應!!僕達のエリートぶりには誰もついてはいけないのです。
神様!最高のエリートに生まれてきた僕達慶應ボーイをどうかお許しください」