半導体集積回路の製造技術を巡り、技術を発明した日立製作所(東京)の元社員・
岡本好彦さん(55)が、発明についての十分な対価を受け取っていないとして、同社と
関連会社の2社を相手取り、計2億円の支払いを求める訴えを23日、東京地裁に起こした。

訴状によると、岡本さんは同社に在籍していた1988年5月、極小の半導体集積回路
を大量に複製する技術を発明。同社は同年11月以降、国内のほか、米国と韓国で特許
を出願し、それぞれ特許登録された。

岡本さんは2002年に同社を退社したが、これまでに報奨金として受け取ったのは
約2200万円だった。岡本さんは、「同社は発明によって少なくとも80億円の利益を得た」
とし、発明の対価は利益の20%に当たる16億円と主張。訴訟では、その一部の2億円の
支払いを求めている。

発明の対価を巡っては、今月17日、光ディスクの読み取り技術を開発した同社元社員が
起こした訴訟で、同社に約1億6300万円を支払うよう命じた判決が最高裁で確定している。

日立製作所広報部の話「訴状が届いていないのでコメントできない。届いたら適切に対応したい」

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061023i515.htm?from=main5