東芝の粉飾決算が発覚したのを受けて、金融庁が監査法人の尻を叩いて「しっかりしろ」と
指導し始めたのは今年1月。トーマツがフィットの売上計上を問題視したのはそのせいらしい。

「現場の会計士とトーマツの品質管理部門、上層部の間で情報の共有や擦り合わせが不十分で、
最終的にはトーマツ上層部が会計処理が適切でないと判断した。
最近、トーマツの監査案件にはこうしたケースが多くてね」とは証券関係者の言葉だ。

東芝の「裏コンサル」疑惑やAppBankのトラブル隠しなどで金融庁やJPXから睨まれているトーマツだけに、
アツモノに懲りてナマスを吹いたのか。
「フィットはトーマツの指示通りに売上計上してきたのでは?」などの質問を送ったところ、
トーマツは「守秘義務の観点から回答は控える」。


フィットは7月29日付で「会計監査人の異動に関するお知らせ」を発表。
任期満了となったトーマツが監査から降りる意向を示してきたとの内容だが、実際には
「フィットがトーマツに不信感を募らせて交代させることを決めた」(証券会社)という。
監査法人をこのタイミングで交代させてしまえば、「ほかにも問題を抱えているのでは」
と余計な勘ぐりを招くだろうに。