http://www.kmonos.net/alang/d/garbage.html

ガベージコレクトされたプログラムの方が高速です。 これは直感に反するかもしれませんが、その理由は:

明示的なメモリ管理の際によく使われる手法は、参照カウントです。 代入があるたびにカウントを増やしたり減らしたリソースを挿入するのは、 速度低下の原因になっています。スマートポインタクラスでラップしても、 速度的な解決にはなりません。
(またいずれにせよ、 循環参照を削除できない参照カウント方式は、 一般的な解決策ではありません。)

オブジェクトによって獲得されたリソースの解放には、 デストラクタが使用されます。多くのクラスでは、このリソースとは 割り当てられたメモリのことです。
GCを使えば、 ほとんどのデストラクタが空になり、完全に削除してしまえます。

メモリ管理のためのデストラクタは、 オブジェクトがスタックに置かれたときに影響が顕著になります。
例外が発生したときに、全てのスタックフレームでデストラクタが呼び出され、 メモリを解放するような仕組みが必要となるのです。 もしデストラクタが関係しなければ、例外を処理する特別なスタックフレームを 設定する必要がなくなり、コードは高速に実行されます。

メモリ管理に必要なコードは全てを合わせるとちょっとした量になります。 大きなプログラムになるほど、キャッシュに入らない部分が増え、 ページングが多く発生し、 プログラムが遅くなります。

GCは、メモリが残り少なくなってきたときのみ実行されます。 メモリに余裕があれば、プログラムは全速力で実行され、 メモリ解放に一切時間を取られません。

モダンなGCは、過去の遅いものより遙かに発展しています。 世代型のコピーGCには、 昔のマーク&スイープアルゴリズムの非効率さはありません。

モダンなGCはヒープの詰め直しを行います。 これによってプログラムが活発に参照するページの数を減らし、 キャッシュヒット率を高め、 スワップ回数が減ります。

GCを使うプログラムは、メモリリークの積み重ねで次第にパフォーマンスが悪化、 という事態に縁がありません。