インダクトラック
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インダクトラック(Inductrack)は、アメリカのローレンスリバモア国立研究所で研究中の磁気浮上式鉄道の一つ。
永久磁石の特殊な配列、ハルバッハ配列を用いることで浮上を行う。物理学者のリチャード・F・ポスト(英語版)が磁気浮上フライホイールの技術を元に磁気浮上鉄道への採用を目指して開発を主導している。[1][2][3]

浮上する為には連続した空気抵抗と電磁気抵抗よりも大きな前進方向の力のみが必要である。磁石の50倍の重量を浮上する事が可能とされる。浮上高は時速80kmで25mmである。また軌道側には、ハルバッハ配列の向きとは垂直の方向に導線を巻いたコイルを配置する。

また軌道側のコイルの代替として、薄いアルミニウム膜と絶縁膜を交互に重ねたものの使用も考えられる。この場合、コイルに比べて大幅なコストダウンが見込まれる。
積層型の場合、薄い箔を重ねる方が大きい浮上力を得られる。揚抗比は薄い箔の方が大きい。積層型の方がリッツ線も優れる。[4]

浮上高は積載量の影響を受け、ある一定の速度以下では速度の上昇と共に浮上高も増えるが、一定速度以上になると浮上高は一定に維持される。
利点として、永久磁石で浮上力が得られるため浮上にかかるコストが少なくて済む。
一方、欠点としては、静止時および低速度走行時に車両を支える補助車輪を必要とするが、浮上走行に必要な速度(遷移速度という)は超電導リニア(遷移速度100km/hから150km/h)と比較して低い速度で可能である。
試験機では時速22マイル以上で浮上したが、ポストは実物大の車両では"わずか時速2マイルで浮上できると信じている。”と語った。

磁気抵抗は遷移速度未満の場合は車両の速度と共に増え、遷移速度前後で最大値を示す。遷移速度以上の場合は磁気抵抗は速度と共に減少する。[5]
一例として500 km/hでの揚抗比は200:1でいかなる航空機よりもはるかに高い。

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超電導リニアの場合は、理論によれば, 揚抗比は速度にほぼ比例し,山梨実験線仕様では 500 km/h のとき 100 程度となる