満期を待つ目的で保有する機関投資家もいれば、変動する価格を利用して株式のように
キャピタルゲインを得ようとする機関投資家もいる。ALMの観点で長い期日の社債が
欲しい投資家もいる。

ここで重要なのは、日本国債(JGB)との価格差・金利差だ。通常、債券の信用力は
国の信用力を超えることはできない。このため、国よりも高い金利を支払うことになる。
新規に社債を発行する時の金利は、財務部と引受証券会社の間で協議して決めるのだが、
既に発行した社債の価格を睨んで、売れ残らないように、なるべく安く発行することを目指す。

現時点では、無理なく社債は市場でさばける状況にある。しかし、毎日恐ろしい勢いで
現金が流出しているので、財務が悪化するとこんな安い金利では社債が発行できなくなる。
そして、それ以上にクレジットが悪化すると、公募債がまともに発行できなくなる。