>>63

経済成長の3要素という概念がある。
これは,経済成長の要因は以下の3つである,という概念だ。

1.労働
2.資本
3.生産性

上記のうち,最初の2つについて説明する。
まず,1.は人間の労働のこと。
次に,2.は工場設備のようなものを想起すると良い。
この中で,日本では生産年齢人口が減少しているので,「1.労働」の投入には頼れない。
では,2.として「設備投資をどんどんすればいいじゃん!」と思うかもしれないが,
設備が過剰になると,供給が需要を上回る「無駄」が恒常化して,重荷になる。

では,最後の「生産性」を上昇させる要因は何か。
これは,産業革命のようなイノヴェーション(技術革新)を想像すると良いだろう。
1990年代以降で言えば,IT革命だ。
アメリカが高い成長率を享受できたのは,この要因が大きい。

しかし,残念ながら,イノベーションは起こそうとして起こすことはできない。
すなわち,政府がいくら頑張っても無駄だ,ということ。
そこで,規制改革によって生産性を上昇させることができないか,という議論が生まれた。
しかし,ロバート・ソローとかの成長理論においては,生産性を上昇させる要因として,イノベーションとしか説明されていない。
実際に,規制改革によって本当に生産性を上昇させることができるかについては,議論がある。

以上をまとめると,規制改革は,生産性を上昇させて経済を成長させるために行うもの。
しかし,実際に生産性が上昇するかについては,明らかとは言えない。