島根)統合失調症の新治療法確立へ、島大が共同研究講座
https://digital.asahi.com/articles/ASL155F8KL15PTIB006.html?iref=pc_ss_date

2018年1月13日03時00分
島根大は、医学部(出雲市塩冶町)内に民間研究会社との共同研究講座を設け、精神疾患である統合失調症の新しい治療法の研究を始めると発表した。
両者はこれまで、統合失調症と脳の免疫障害との関わりについて研究を進めており、免疫を正常に戻すことによる治療法の確立を目指すという。


 講座を運営する相手は、難病治療や検査薬などを研究するバイオベンチャー会社「RESVO」(本社・東京都)。

両者の会見によると、これまで統合失調症の幻覚や幻聴を抑えるには神経伝達物質の働きを改善することが有効とされている。これに対し宮岡剛・医学部准教授(51)は10年以上前から、
患者によっては脳内の免疫障害の改善が有効となる症状もあるとみて、漢方薬や骨髄移植による治療方法を研究してきた。

RESVOは、免疫障害に由来する統合失調症を血液から見分ける基礎研究などの実績があるという。同社の研究者が学内で講演したことが縁で、昨年3月ごろから講座の開設準備を進めていた。

講座の設置期間は3年で宮岡准教授とRESVOの研究者の計4人が主なメンバー。研究費約3千万円はすべてRESVOが負担する。
マウスを使った基礎研究を進めながら、成果を臨床研究で生かし、免疫改善が有効な患者を見分ける検査キットや治療薬などの開発を進めるという。
宮岡准教授は「免疫障害は他の病気では、短期間で改善する例もある。新しい治療法を確立し、少しでも患者の力になれれば」と話している。(今林弘)