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もしグルタミン酸仮説の薬だったら、効く可能性はあるかもね
治療抵抗性は、ピリドキサミンが期待できるかもよ

●グルタミン酸仮説における治療抵抗性と今後の展望
上里彰仁  山本直樹  西川 徹
 NMDA型グルタミン酸受容体機能を促進するような薬剤は,統合失調症の治療抵抗性症状に対する新規治療戦略となると考えられている。
NMDA受容体のグリシン結合部位に直接的・間接的に作用する薬剤は,既存の抗精神病薬の増強療法として使用した複数の臨床研究により陰性症状や認知機能障害の改善が報告され,メタ解析でも有効性が示されている。
ただし,これらの薬剤はclozapineの増強療法としてはほとんど無効であるとされ,clozapineがグルタミン酸神経伝達系に作用していることや,治療抵抗性症状がグルタミン酸神経伝達系に関連している可能性が示唆される。
一方で弱いNMDA受容体阻害作用を持つmemantineの併用が増強効果を示すように,異なる作用機序を持つグルタミン酸神経伝達系作用薬の組み合わせや新たな作用機序の解明が,治療抵抗性症状に対する新規の治療戦略になる可能性がある。

●カルボニルストレスからみた治療抵抗性統合失調症の理解と今後の展開
宮下光弘  新井 誠  市川智恵  鳥海和也  小堀晶子  天野直二  糸川昌成
 我々は,統合失調症の異種性の問題を克服するために,稀ではあるが効果の大きい遺伝子変異が発症に深く関与すると推察される統合失調症の一群を精査し,新たな病態仮説の確立を試みた。
その結果,カルボニルストレスの亢進が一部の統合失調症の病態に関与する可能性を明らかにし,さらに新たなコホートで調査した結果,一定の割合でカルボニルストレスが亢進していることを再確認した。
また,カルボニルストレス亢進を呈する統合失調症の臨床特徴はKaneらが定義する治療抵抗性統合失調症に類似していることも明らかにした。
本稿では,カルボニルストレスを消去するピリドキサミン(ビタミンB6)が治療抵抗性統合失調症の治療薬となる可能性について述べた。
http://seiwa-pb.co.jp/search/bo01/bo0103/bn/17/12u.html