コーヒーの抗うつ作用のエビデンス
https://sp.m3.com/clinical/open/news/972755

有益性の証拠

 ハーバード・メディカル・スクールの神経学教授であるAlan Leviton氏が発表したレビューでは、以下の2つの研究がコーヒーの気分的なメリットを数値化しています。

 30万人以上の被験者(うち8,000人がうつ病)を対象としたメタアナリシスでは、コーヒーを多く飲む人は、コーヒーをあまり飲まない人や飲まない人に比べて、うつ病のリスクが減少することがわかりました。
最も効果が高かったのは、1日に約400mL(13オンス)のコーヒーを飲む人でした。

 また、韓国で行われた約1万人の成人を対象とした研究では、1日に2カップ以上のコーヒーを飲む人は、飲まない人に比べて、自己申告によるうつ病の有病率が32%低いことが分かりました。

 また、「Nutrients」誌に掲載された研究結果は、コーヒーの抗うつ効果をさらに裏付けるものでした。
この研究では、スペインの研究者らが、14,413人の大学卒業生を対象に、コーヒーの摂取量とうつ病のリスクとの関係を、地中海食の遵守度をコントロールしながら調べました。
研究者らは、コーヒーの摂取量を評価するために、食物摂取頻度調査票を使用しました。

 その結果、1日4杯以上のコーヒーを飲む人は、1日1杯未満の人に比べて、うつ病のリスクが有意に低いことがわかりました。
また、コーヒーの摂取量とうつ病の発症率との間には、全体として逆の線形の用量反応関係は認められませんでした。

 研究者らは、過去の研究で、極端なコーヒー消費を伴う研究結果が支持されていることを指摘しています。
さらに、カフェインレスのコーヒーは、うつ病のリスクを減少させないこともわかりました。