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ケタミンの個人輸入解禁はよ

ケタミンは、主に動物用の麻酔薬として長年使われ、幻覚剤として不正使用もされてきた。しかし最近、抗うつ薬としての可能性が着目され、研究が進められている。
そのケタミンの臨床試験で驚くべき効能を目の当たりにしたのが、ニューサウスウェールズ大学のコリーン・ルー教授だ。彼女は、他の薬剤では効果のなかったうつ病患者を対象に、2016年から3年をかけて、ランダムの二重盲検法(ダブル・ブラインド・テスト─医師側も、患者側も、
どんな薬を使うかを知らされないテスト)での治験を実施した。全員が60歳以上からなる被験者16人にケタミンを1回投与したところ、それだけで、被験者の半数にうつ病の症状が見られなくなったのだ。

「海外からの研究報告をあれこれ読んではいましたが、どこか眉唾な思いも抱えていました」と、ルー教授は率直に語る。
「しかし認めなければなりませんが、最初の被験者と対面したとき、彼はわたしの目をまっすぐに見つめて、『こんなの信じられないよ』と呟いたのです。
『わたしも信じられません』とお答えしました。彼は10年間うつ病を患ってきて、10あまりの薬を試しても効果がなかったのです。『それがたった1回飲んだだけで、翌日には治っちまうなんて、信じられるわけがないじゃないか』と、彼は重ねて言いました」

25歳の匿名希望の男性も10年間うつ病を患い、「リングのコーナーにじりじりと追い詰められてすっかり戦意を喪失した」気分でいた。しかし、闇サイトからケタミンを買い、試しに服用してみると、うまくいった。
「人生の先行きがぱっと明るく見えてきた。抗うつ薬に頼ることに人生を費やすことに比べれば、費用の面から考えても、はるかに有意義なことだったよ」と、彼は語る。
https://www.gqjapan.jp/life/grooming-health/20181203/in-the-lab