ああ、おろかな者よ、なぜ長命を保てると思っているのか、一日さえも確実なものではないのに。
どれほど多くの人がこの錯覚に迷わされ、思いがけない時に、この世を去っていったことであろう?
ある人は刀で刺され、ある人は溺死し、ある人は高いところから落ちて頭を割り、ある人は食事の間に息絶え、またある人は、遊んでいる時に急死した。
しばしばあなたはこのようなことを聞いたであろう。
ある人は火で、ある人は剣で、ある人は疫病で、ある人は強盗の手にかかって死んだ。
こうして、どんな人も最後は死である。
人の命は影のようにすぐ消えてしまうものである。

あなたの死後、誰があなたを思い出し、あなたのために祈ってくれるであろうか?
愛する兄弟よ、今のうちに善をおこないなさい。
あなたは自分がいつ死ぬかを知らず、また、死後どうなるかも知らないからである。
時のある間に、不朽の富を集めよ。
あなたの救い以外のことは何も考えず、神についてだけ心を配りなさい。
神の聖人たちを尊敬し、彼らの模範にならって、天の友人をつくりなさい。
そうすれば、あなたがこの世を去る時には、彼らがあなたを永遠の幕屋に迎え入れるであろう。

De imitatione Christi