体温計で「寒熱」は分からない:日経メディカル
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これまで、「補法」の基本方剤5つ(四君子湯、補中益気湯、四物湯、生脈散、六味丸)を紹介してきました。本連載では今後、「瀉法」の基本方剤の解説に移りますが、今回は、治療の状況によって補とも瀉とも捉えることができる「回陽」の基本方剤の1つとして、四逆湯を取り上げます。
先に述べたように、回陽は見方によって補とも瀉とも捉えられます。回陽を補法と捉えた場合は「温補」(温を補う)、瀉法では「散寒」(寒を取り除く)と表現されます。
例えば、冷え性に対応するならば温補、冷えによる急性疾患に対応するならば散寒に当たります。
なお、急性疾患は風邪(ふうじゃ、六淫の一つ)を伴うことも多く、その場合は典型的な瀉法に当たる発汗薬で対処します。
これについては今後「解表」の基本方剤で取り上げますので、今回はシンプルに温める治療法として、回陽の基本方剤である四逆湯を紹介します。