https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/28816

マイ・ブラッディ・ヴァレンタインと自身の作品や活動について

マイブラから受けた影響……大きすぎてこのスペースで語り尽くすのは困難ですが、ケヴィン・シールズは僕が最も研究し、最も取り憑かれたギタリストの一人であることは間違いありません。
90年代は映像も資料も乏しく、ひたすら音源を狂ったように聴いてその奏法を想像し、分析し、再現しようと努力しました。
結局どうあがいてもよく分からず、自分流にやるしかなく、それがたまたまSUGIZO、LUNA SEAのギター・サウンドの個性となっていったと自負しています。
今思えば間違いだらけ、勘違いだらけの似非マイブラ・サウンドでしたが、的確に真似できなかったからこそ自分流の音が生まれた(そうなってしまった)のだと思っています。結果的に今はそれが良かったのではないかと思っています。
もうひとつ。真似できなかったことはケヴィンとビリンダの歌です。あの頼りない歌声がマイブラを頂点としたシューゲイザー・バンドの最たる特徴です。
逆にLUNA SEAのRYUICHIは圧倒的な歌唱力を誇ります(勿論それが最大の強みです)。
真似したくてもできなかった中途半端な似非ギター・サウンド&上手すぎる歌。それ故に幸か不幸かLUNA SEAはシューゲイザーになれなかったのです。