10月、担当の医師はHEATHさんに「自分らしく生きてください」と告げたという。残された時間は限られていたが、HEATHさんの生活は、何も変わらなかった。

「痛みを抑えるために薬を飲んでいましたが、ベースを弾き、曲を作り続けていました。彼は、人生の最後まで『HEATH』であり続けたのです」

 YOSHIKIが《身内に不幸があり、自分の判断で急遽日本に戻って来ました》と、インスタグラムに投稿したのは11月3日だった。

「女性セブン」では、メンバー同士が亡骸との対面に訪れる時間がバッティングしないように、関係者らが “睨み合い” ながら対面時間を決めたと報じている。

「それも違うのです。『YOSHIKIはいつ来るのか?』と、メンバーの訪問時間を気にしていたのは、Toshlさんサイドだけです。関係者が対面時間を管理していたという事実はありません。YOSHIKIさんが夕方に到着することを知り、Toshlさんは同日の午前中に安置室を訪れ、1時間以上滞在し、HEATHさんと対面して号泣していたようです」

 この関係者は、「女性セブン」に情報をリークした人物について、ある程度特定できていると語る。

「今回の訃報を知っていたのはメンバーのほか、わずか数名です。記事に出ている情報は断片的で、全体像を掴んでいる人間なら考えられないデタラメが混じっています。記事が出るタイミングなどを考えると、Toshlさんの周辺にいる “ある人物” が漏らしたとしか考えられないのです」

 なぜ、その人物はセンシティブな “メンバーの死” をリークしたのだろうか。

「ファンに対して、『X JAPANの活動が滞っているのは、YOSHIKIのせいだ』と言いたいわけです。

『女性セブン』には、YOSHIKIさんが統括する会社がToshlさんと金銭トラブルを起こしていること、7月にリリースした新曲についてメンバーが直前まで知らされていなかったことなど、一方的な主張に誌面の多くが割かれています。

 メンバー間に溝が生まれているというのも大嘘。HEATHさんの死を利用したのは許せません」

 11月11日、HEATHさんの公式ホームページに、「皆様へ大切なお知らせ」という文章がアップされた。

 そこには、《ご遺族の意向に沿い、葬儀後に皆様へのご報告を予定しておりましたが 一部メディアでの報道により、急遽予定から前倒す形でのお知らせとなりました》と、リークに翻弄された無念さが綴られている。

 X JAPANの再始動を願っていたというHEATHさんの遺志は踏みにじられ、真逆の方向に歪められてしまった。