0001名無しさん@お腹いっぱい。2006/12/28(木) 09:25:01ID:YEsvJvOz
CG板の住人は?
上記ヒアリング 追加情報 NHK・JEITAブース
ご回答者様 8Kモニター展示コーナー技術説明員
局内すべてのモニターは技術局員が調整を行う
サブ運用スタッフや各編集室オペレーターが独断で調整する事は無い
キャリブレーターは、コニカミノルタ製CA-310などの業務用を必ず使う
x-rite製i1 Pro、i1 Display Proなどの半民生品を使うことはあり得ない
白表示時の輝度設定は、モニター設置ルームの照明環境を考慮して決める
室内照明器具は、局舎全体でなるべく同じ機種に統一する方針
局舎が巨大なので、部屋ごとに異なる照明器具を使われると故障交換時に調達が困難になるため
色温度については6500kに統一した、9300k設定機は存在させない方針
上記ヒアリング 追加情報 TBSブース
ご回答者様 スケルトンオペレーションルーム技術説明員
白表示時の輝度設定、ガンマ値については記憶が確かでなく即答しかねる
色温度の設定基本方針は9300kである
ただし、私(本件のご回答者様)は技術作業の一線から退いており
現時点の基本方針や最新情報を確約するわけでは無い
ソニー、NHKは担当スタッフが現役技術者らしく自信もって回答していた
TBSは現場から足を洗ったシニアエンジニアのようで、何かと明言を避ける様子が見られた
不用意な発言で言質を取られることを警戒していた模様
悪意は無く、キー局運用実態の把握が目的だったので、この場を借りてお詫び申し上げたい
HDRコンテンツ制作の輝度レンジについて規格策定各社の見解 2/3
パナソニック(株)AVCネットワーク社 技術本部 小塚雅之氏 (記事 2015年1月)
> 「まず、消費電力や安全性などの問題もあり、
> 家庭用では1,000NIT程度までが適当であると考えています。
> ただし、この絶対的な明るさについては映画スタジオさんによって考え方が異なっており、
> あるスタジオでは4,000NITくらいでマスタリングしたい、
> あるスタジオは1,000NITでいいけど、将来的に使うかもしれないから
> 規格としては10,000NITまで入れたいといった要望があり、
> 上限として10,000NITとしました」
https://www.phileweb.com/news/d-av/201501/08/36191_4.html ヒトの目が輝度を認知するとき起こる現象についてはひとまず筆を置き
次は色相と彩度について調べていきます
ヒトの視覚認知は以下の傾向を持っているようです
輝度 かなり細かく判別できる
色相 そこそこ細かく判別できる
彩度 おおざっぱな判別になってしまう
詳細は後日
0701名無しさん@お腹いっぱい。2017/12/30(土) 18:09:07.91ID:Hp7G0Fs4
誰でも簡単にネットで稼げる方法など
参考までに、
⇒ 『半藤のブブイウイウレレ』 というサイトで見ることができます。
グーグル検索⇒『半藤のブブイウイウレレ』
T2XYA4BHV7
0702名無しさん@お腹いっぱい。2018/09/10(月) 15:20:41.85ID:EM6gsxvk
HDR輝度モニターの設定を論じるWebサイトは多いが
そもそも、これまでのSDR輝度モニター規定値はいくらだったのか?
を記述したWebサイトが見当たらない
ここにまとめる
ITU-R BT.500-8 (1998年)
解像度を限定しない場合のテレビのピーク輝度
200 cd/m2
ITU-R BT.710-4 (1998年)
HD解像度テレビのピーク輝度
150-250 cd/m2
の間でユーザーが任意に決めてよい
ITU-R BT.1886 (2011年)
ブラウン管とフラットパネルを並べて目視する場合
性能が低いブラウン管のほうへ合わせ込むためには
100 cd/m2
まで下げてもよい
DCI Digital Cinema System Specification V1.0 (2005年)
映画館で上映する作品をスクリーンに投射する場合
画面中央に表示される白い被写体
48 cd/m2
SDR輝度モニター規定値については上で述べた
次に、HDR輝度モニター規定値を述べる
ITU-R BT.2408-0 (2017年)
HDR環境で映像制作する際の、暫定的な推奨値
調整の目安にする被写体 | 推奨輝度 | PQ値 | HLG値
中間の灰色(18%グレー) | 26 cd/m2 | 38% | 38%
白に近いグレー (83%) | 162 cd/m2 | 56% | 71%
白に近いグレー (90%) | 179 cd/m2 | 57% | 73%
光沢反射しない物体白色 | 203 cd/m2 | 58% | 75%
森林樹木 | 30-65 cd/m2 | 39-47% | 40-55%
アイススケート競技面 | 155 cd/m2 | 55% | 71%
一般的な物体白色 | 140-425 cd/m2 | 54-66% | 69-87%
ITU-R BT.2408-0 (2017年) 続き
室内撮影と野外撮影では、設定輝度を変えると場所の違いを見分けやすい
室内で目安にする被写体 | 推奨輝度 | PQ値 | HLG値
中間の灰色(18%グレー) | 17 cd/m2 | 34% | (記述無し)
光沢反射しない物体白色 | 140 cd/m2 | 54% | (記述無し)
野外で目安にする被写体 | 推奨輝度 | PQ値 | HLG値
中間の灰色(18%グレー) | 57 cd/m2 | 45% | (記述無し)
光沢反射しない物体白色 | 425 cd/m2 | 66% | (記述無し)
ITU-R BT.2408-0 各値に関する注意点
注意点1.
HLGの%値は、モニター最高輝度を1000cd/m2に設定した場合の値
注意点2.
BT.709(SDR)・PQ・HLGは、波形モニターの%値が同じでも、ピクチャーモニターから実際に出る発光輝度はそれぞれ違う
PQ/HLG映像を作る時、波形モニターがBT.709モードのままだと正しく計れない
PQ映像を作る時、波形モニター設定はPQモードに切替が必要
HLG映像を作る時、波形モニター設定はHLGモードに切替が必要
注意点3.
この値は強制ではない、推奨である
映像の加工調整時、この値を基準に輝度を上げ下げすれば迷いが減る
映像制作担当者に明確な狙いがあるなら、完成品がこの値から外れていてもよい
ただし、音声にオーディオラウドネス規制が出来たように、将来は映像も輝度規制される可能性はあり得る
注意点4.
これらは2017年時点の暫定値である
今後、実験と研究が進むと、これらの値は変更される可能性がある
各自、最新情報を随時調べて頂きたい
映画・テレビの映像に関する標準規格は
SMPTEが取り決め -> ITUが採用 -> 各種民生規格に流用
この流れをたどる事が多い
HDR映像の上にかぶせるテロップ・CGの輝度はいくらが適切か
テロップ文字の周りを取り囲む白い四角形を
テレビ業界では "ザブトン" と呼ぶ
最高輝度1000nitsのディスプレイで
ザブトンの白色 (8ビット時255、10ビット時1023)
を1000nitsで出してしまうと、まぶし過ぎて直視できない場合がある
そこで、ザブトンを乗せる前のベース映像の平均輝度
(APL=Average Picture Level) を計算し、
APL値ごとにザブトンの適正値を割り出す研究が行われた
いずれもHLG映像の%値である
APL / ザブトン白色
54% / 85%
40% / 80%
30% / 75%
映像情報メディア学会誌 年報2017年9月号 7/16ページから引用
http://www.ite.or.jp/contents/annual-rep/1709nenpo.pdf >>702-707 内容をふまえ
CG制作者・カラーグレーディング作業者が
HDR映像を制作するときの目安となる値をまとめる
あくまで2018年時点の筆者私見である事に留意されたい
黒=物体色の最低輝度
0.1 cd/m2
これより低い輝度を使って暗部階調を描画しても
一般家庭の照明環境では黒つぶれして見えない可能性がある
白=物体色の最高輝度
光沢が無い、理想的な物体白色 (ディフューズホワイト)
基本 203 cd/m2
室内 140 cd/m2
野外 425 cd/m2
テロップ・CGの白輝度
203 cd/m2 (HLG 75%)
ただし、APL値が30%越えたら映像内容に応じて上げる
鏡面反射・光沢表現 (スペキュラーハイライト)
203〜500 cd/m2の範囲を使って描画する
現時点で使うには不安がある輝度範囲
500 cd/m2以上
2018年時点で市販される民生用ディスプレイの性能を考慮すると
正しく描画されない可能性がある ここまでの記述を読み
人間の目は、物理的な光の強弱を、絶対値として読み取れると
誤解された方がおられるかもしれないが、それは違う
以下の記述を参照されたい
米国放送機器展 NAB デジタルシネマサミット (2004年4月17日)
講演(2) The "White" Paper
Matt Cowan氏 (RealD社 元サイエンテフィックオフィサー)
Loren Nielsen氏 (Xperi社 現ヴァイスプレジデント)
> 映画製作時から上映までに用いられるホワイトには、
> 「製作時のホワイト」、
> 「エンコーディング時のホワイト」、
> 「ディスプレイにおけるホワイト」
> が存在する。
>
> この中で一番重要なのが、製作時のホワイトであり、
> ストーリーやシーンの内容によりさまざまな値が用いられている。
>
> 視 聴 時 の 感 覚 は 相 対 的 な も の で あ り、
>
> 物 理 的 な 絶 対 量 で は な い 。
>
> この相対的な感覚により、
> 実際の世界では広いレンジを必要とするホワイトでも、
> スクリーン上で表現することを可能としている。
>
> 例えば、「雪のホワイト」、「雲のホワイト」、「明るい物体のホワイト」
> などは、実際の世界では非常に広い物理的なレンジを必要とするが、
> 人間の知覚が相対値であるため、
> 限られたレンジしか表現できないスクリーン上でも表現が可能となる。
「デジタルシネマに関する調査研究」報告書 財団法人デジタルコンテンツ協会
https://hojo.keirin-autorace.or.jp/seikabutu/seika/16nx_/bhu_/it_/h16_it_digitalcontentskyoukai-8.pdf 映像内容全体の明るさをパーセント値で平均化したものを
APL (Average PictureLevel) と呼ぶ
10年ほど前、日本のテレビ放送の実態調査が行われた
2009年7月31日〜8月7日 計1週間
総計測時間 829時間
総番組数 1211番組
番組分類 / APL / 放送時間に占める割合
ワイドショー/ APL 49.3% / 27%
ニュース / APL 47.7% / 22.5%
バラエティ / APL 49.6% / 22.2%
ドラマ / APL 36.0% / 10.5%
その他 / (APL不明) / 17.8%
映画 / (APL不明) / 10%以下
賛否は別として、我々日本人はこの状態の動画を見慣れている
この値からかけ離れた映像を作る場合、視聴者から反発を買わない工夫が必要だ
消費電力の低減と視覚疲労の軽減のためのハイビジョン液晶テレビの適正視聴条件
JEITA主催 FPDの人間工学シンポジウム
https://home.jeita.or.jp/device/lirec/symposium/fpd_2010/doc/5b_kubota.pdf 物理的にはまったく不足なのに、なぜ高輝度と感じるのか
それは >>710 で述べた
> 視 聴 時 の 感 覚 は 相 対 的 な も の で あ り、
>
> 物 理 的 な 絶 対 量 で は な い 。
事が理由だ。
・カメラRAWデータ現像
・3D-CG作画
・実写とCGの合成
・カラーグレーディング
これらの作業で色を加工・変化させる際
絶対量ではなく、相対量を動かしているという認識で
>>703 に述べた値 (18%グレー PQ, HLG, いずれも38%)
を中心に、上へ浮かせる率、下へ沈める率を伸縮させる
ただ、解釈や把握の価値観は人によって異なるので、個々人で考えること
Photoshopなどのヒストグラム表示ではルミナンス値の正確な把握が難しい
・波形モニター専用機
・ビデオ編集ソフトの波形・ベクトル表示
などを活用すればわかりやすくなる HLGガンマカーブのユニークな形状には、以下の特徴がある。
・20 〜 110 cd/m2間は、 PQカーブの下へ潜る
・45 cd/m2付近で、Barten曲線にほぼ近づく
18%グレー 〜 スキントーン 間はテレビ番組において多用されるが
この領域の明暗階調をきめ細かく刻むという点では、HLGのほう優位だ。
スキントーン (人間の皮膚の色) は誤差や劣化が少しでも生じると
多くの人に違和感を持たれてしまう。
この領域をきめ細かく刻むことは、テレビ業界にとって合理的である。
ただ、技術的制約からやむを得ずこの形状になったのか
意図的に狙ってこの領域にピークを作ったのか、現時点では不明。
来年、NHK技研公開を訪れる機会があれば、質疑応答してみたい。
スキントーン処理の優劣は、画質評価に極めて大きな影響を与える
重大な問題をはらんでいるので、関連情報を紹介する
> 2015年12月11日の情通審放送システム委員会・同HDR作業班合同会合において、
> HLG方式とPQ方式の映像比較デモを行った。
>
> 1.目的
> HDR放送の2つの映像方式(HLG方式及びPQ方式)を
> HEVC Main10によって符号化する場合の画質を確認する。
>
> 3.2 ΔEによる客観評価
> ΔEは映像信号の視覚的な劣化量を示すため、
> 値が小さいほど原画と符号化映像が視覚的に近いことを意味する。
> 図4-2(a)に示すように、
>
> HLG方式がPQ方式に比べΔEが小さい結果となった。
詳細を次の投稿に記載する
情通審放送システム委員会・同HDR作業班 報告 (続き)
> 4.4:2:0符号化のための信号処理の影響
>
> HLG方式とPQ方式の原画像をそれぞれ
> Y?C?BC?R 4:2:2からY?C?BC?R 4:2:0へ変換し、再び
> Y?C?BC?R 4:2:0からY?C?BC?R 4:2:2へ変換し、
>
> 原画像と信号変換後の画像について
> ΔEを比較することで信号変換のみの視覚的な劣化を算出した。
>
> その結果、
> HLG方式ではフレーム内平均ΔEが2.69であったのに対し、
> PQ方式ではΔEが3.71であり、
> PQ方式がHLG方式に比べ視覚的な色の劣化がΔEで1以上高かった。
>
> 画面内のΔEの分布を確認すると、特に彩度の高いインコの赤い胴体部分においてPQ方式のΔEが顕著に高く、
> 彩度の高い32×32画素領域を切り出しΔEを測定すると、HLG方式に比べ4以上高くなっていた。
>
> この結果は、[4]で報告されたPQ方式の色劣化を定量的に裏付けるものであり、
> 彩度の高い映像においては、PQ方式の信号処理に起因する視覚的な劣化が現れることが示された。
総務省 情報通信審議会 情報通信技術分科会
放送システム委員会 HDR作業班 平成28年3月報告
http://www.soumu.go.jp/main_content/000417995.pdf PQ方式は、強い圧縮をかけると赤色系の劣化が多めに出る問題を抱えている
強い圧縮をかけるネット配信が主流となった現在、これは深刻だ
PQ方式を推す映画業界は
劇場は画質が良く、自宅は画質が悪い状態でも差し支えない
劇場へ足を運ぶよう訴え、観客動員につなげられるからだ
テレビとネットは、そうはいかない
・電波も通信網も、帯域逼迫にあえいでいる
・少しでも強く圧縮をかけ、データを小さくしたい
・圧縮のせいで
赤色系の劣化が多い=スキントーンの劣化が生じると
視聴者クレーム増加の危険性が増える
画質にも、電気製品にも、全く興味が無い層の消費者であっても
画面に映った人の顔色が不自然だとさすがに気付く
放送業界がHLG方式を選んだ理由は
赤色系=スキントーン品質の優先も含まれているだろう
>>721
実際に見比べるとHLGのNHK8KってSONYのHDRに比べて明らかに劣るけどね。
それなりにまともな視聴環境用意してUHD BDやギガ回線で視聴するならHDRが圧倒的に優位。
ただ偽HDRテレビで4Kがやっとな回線だとHLGの方が良いかもしれんね ちなみにSONYの技術者と話したついでにHLGのメリットってなんかあるの?って話をしたんだが
HDR10にすりゃいいのにね、画質って意味じゃメリット無いよ、ってな感じだった。
予言しといてやるよ。
おまえら正月三が日も延々とここにクレーム書き続けてる。
それが「正義」とかなにか意味のある立派な行為と信じてなw
正月過ぎてもずーっと今のまんま虫みたいな低い知能で延々クレーマーしてるだけw
まさにゴミだな。2019年もせいぜい惨めな人生を極めてくれw
>>686-690 で紹介した
ARIB TR-B28
マスターモニター要求条件
が発表されたのは2006年だが、この資料を下敷きにITU-R BT規格書が作られ、2009年に発行された。
ITU-R BT.2129
User requirements for a Flat Panel Display (FPD) as a Master monitor in an HDTV programme production environment
HDTV番組制作環境におけるマスターモニターとしてのフラットパネルディスプレイ(FPD)のユーザー要件
ARIB TR-B28の内容から、日本固有の状況説明などを省き、2006年以降に判明した事柄を追加しているようだ。
だが、大筋の内容は同じである。
TR-B28は有償なのですぐに閲覧できない。
BT.2129は無償公開なので、取り急ぎ確認に迫られた場合は便利であろう。
https://www.itu.int/dms_pub/itu-r/opb/rep/R-REP-BT.2129-2008-PDF-E.pdf ITU (国際電気通信連合) について
情報通信分野の国際標準規格を取りまとめる機関
世界中の企業、業界団体、研究機関などが作成したレポートや規格を元に
国際標準規格をまとめ、世界中に告知することが目的
ITU内部組織 3部門
ITU-R 無線通信部門
ITU-T 電気通信標準化部門
ITU-D 電気通信開発部門
ITU-Rが発行する規格書の分類
BO 衛星配信
BR コンテンツ制作の記録、保存と送出; テレビ用フィルム
BS 放送 (音声)
BT 放送 (テレビ)
F 固定サービス
M 携帯、無線測位、アマチュアおよび関連衛星サービス
P 電波伝搬
RA 電波天文学
RS リモートセンシングシステム
S 固定衛星サービス
SA 宇宙応用と気象学
SF 固定衛星と固定サービスシステム間の周波数共有と調整
SM スペクトル管理
ITU-R BT規格書のうち、テレビ導入機種選考、画質評価、カラーマネージメントなどに関わりそうなもの
下記22点について、投稿を分割しながら簡単に紹介していく。
500 / 601 / 709 / 710 / 814 / 815 / 1127 / 1128 / 1129 / 1210 / 1846 / 1886 / 2020 / 2022 / 2035 / 2087 / 2095 / 2100 / 2129 / 2246 / 2390 / 2408
BT.500
Methodology for the subjective assessment of the quality of television pictures
テレビ画像品質を主観的評価するための方法論
映像機器の画質評価にはさまざまなテスト方法、設定条件がある。
その基礎と位置付けられる規格書が、IRU-R BT.500だ。
初版発行は1974年だが、最新13版は2012年1月。時代の変化に合わせ、改訂を13回も行っている。
テスト条件を加えたり、条件を絞り込む場合は、他のBT規格書も併用する。
・映像機器を人間が目視し、主観的な印象で画質に5段階評価をつける
(実際には複数の評価方法があるので、規格書の精読が必要)
・以下2パターンを見比べ、優劣をつける
1. 映像ソース -> テレビ直結
2. 映像ソース -> 検査対象の映像機器 -> テレビ直結
・評価用映像ソースは、かつては35mmフィルムスライドスキャナーを想定していた
・テレビ設定値と室内照明は、以下二通り、それぞれ条件設定されている
(1)研究所実験室 (2)一般家庭に準じる環境
・観察者は、最低でも15人以上そろえる
・評価集計レポートには、観察者の属性を書き添える
(例 映像機器専門家 or 非専門家, 映像制作関係者 or 無関係, 学生 or 社会人, など)
・観察者の目視作業時間は、1人当り30分以内にする
・観察者全員の評価記入シートを集め、指定された計算式を使い、スコアを出す
https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.500 BT.601
Studio encoding parameters of digital television for standard 4:3 and wide screen 16:9 aspect ratios
標準4:3およびワイドスクリーン16:9のアスペクト比に対するデジタルテレビのスタジオエンコーディングパラメータ
SD解像度時代のテレビ規格、色空間を定義したもの。
HD解像度向けのBT-709とは、白色点の位置が違う。
編集ソフトによっては、白色点の自動合わせ込み機能が誤動作する可能性もある。
古いSD素材を、HD解像度プロジェクトへインポートする際は注意が必要。
https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.601/en
BT.709
Parameter values for the HDTV standards for production and international programme exchange
番組制作および国際番組交換用のHDTV規格パラメータ値
HD解像度のために定義された色空間。
ブラウン管を前提としており、液晶やプラズマなどフラットパネルを考慮していなかった。
ブラウン管互換のガンマカーブをフラットパネルへ当て込むため、
のちにBT.1886が策定されることになる。
https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.709/en BT.710
Subjective assessment methods for image quality in high-definition television
HD解像度テレビの画質に対する主観評価法
観察者が目視するテレビ設定値を述べたもの。
画面上のピーク輝度 150-250cd/m2 、画面色温度D65、などの記述がある。
https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.710/en
BT.814
Specifications of PLUGE test signals and alignment procedures for setting of brightness and contrast of displays
PLUGEテスト信号仕様、ディスプレイの明るさ、コントラスト設定の調整手順
テレビ調整時に表示させる、単純な図形映像(プルージ)の取り決め。
以下の記載が見られる。
・ピクチャモニタに表示された状態
・波形モニタに表示された状態
・各図形のルミナンス値
https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.814/en
BT.815
Specification of a signal for measurement of the contrast ratio of displays
ディスプレイのコントラスト比を測定するための信号仕様
テレビ調整時のコントラスト測定用、単純な図形映像の取り決め。
50%グレー(126/235)を背景に、ブラック(16/235と、ホワイト(235/235)の四角形が表示される。
https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.815/en BT.1846
Notations for video systems
解像度/フレームレート/階調の表記方法
実際の記述例がある。(1920×1080/50/I 1080/30/PsF など)
https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.1846/en
BT.1886
Reference electro-optical transfer function for flat panel displays used in HDTV studio production
HDTVスタジオ制作で使うフラットパネルディスプレイのEOTF
ブラウン管に近い表示をフラットパネルにさせるためのガンマカーブ(=EOTF)
詳しい内容は過去の投稿 >>673-678 に記載済み。
https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.1886/en
BT.2020
Parameter values for ultra-high definition television systems for production and international programme exchange
番組制作および国際番組交換用のUHDTV規格パラメータ値
SD解像度の色空間 BT.601、HD解像度の色空間 BT.709
これらの規格に続き、4k/8k解像度の色空間として定義されたもの。
最新版は2015年10月発行、第2版となっている。
https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.2020/en BT.2022
General viewing conditions for subjective assessment of quality of SDTV and HDTV television pictures on flat panel displays
フラットパネルディスプレイでSD解像度/HD解像度テレビ画像品質を主観的評価するための一般的な視聴条件
研究所の実験室と、一般的な家庭の視聴環境では、規定値が異なっている。
実験室環境
部屋の照明: 低いこと
背景の色度: 分光分布 6500k
ピーク輝度: 70-250 cd/m2
モニターコントラスト比: 0.02以下
画像のピーク輝度に対する背景画像の輝度の比: 0.15
家庭環境
スクリーンの環境照度: 200 ルクス
ピーク輝度: 70-500 cd/m2
非アクティブ画面の輝度とピーク輝度モニタのコントラスト比:0.02以下
(注) スクリーン上に落ちる環境からの入射光は、スクリーンに対して垂直に測定する必要がある
(注) ピーク輝度は部屋の照明に合わせて調整する必要がある
https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.2022/en BT.2035
A reference viewing environment for evaluation of HDTV program material or completed programmes
HDTV番組素材または完成番組を評価するときの参照視聴環境
ピーク輝度値に要注意。前述のBT.2022と異なる。
BT.2022ではかなり幅を持たせていたが、BT.2035は100cd/m2の固定値。
どちらの規格書に従うかは、内容精読の上、個々の状況に応じて選んで頂きたい。
・基準白および基準黒基準白 (値940)
100cd/m2に対応させること
・基準黒 (値64)
0.01cd/m2未満にすること
・白色点
D65にすること
・ガンマカーブ(EOTF)
BT.1886に従うこと
・その他
BT.2129に従うこと
https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.2035/en BT.2087
Colour conversion from Recommendation ITU-R BT.709 to Recommendation ITU-R BT.2020
ITU-R BT.709からITU-R BT.2020への色変換
https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.2087/en
BT.2095
Subjective assessment of video quality using Expert Viewing Protocol
専門家による視聴手順を用いたビデオ品質の主観評価
BT.500で求められる観察者は最低15人。
用意すべき機材も考えると、実施はかなりの負担になる。
少人数・小規模で評価テストを行いたいという要求に応えて決められたのが
このBT.2095のようだ。
映像関係の専門家、最低9人から実施可能とされている。
https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.2095/en BT.2100
Image parameter values for high dynamic range television for use in production and international programme exchange
番組制作および国際番組交換に使うHDRテレビの画像パラメータ値
言及される事が多い規格書だが、原本は下記URLからダウンロードできる。
最新の第2版は、2018年7月発行。
https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.2100
BT.2129
User requirements for a Flat Panel Display (FPD) as a Master monitor in an HDTV programme production environment
HDTV番組制作環境におけるマスターモニターとしてのフラットパネルディスプレイ(FPD)のユーザー要件
>>686-690 >>727 で紹介したもの。
自分の手で実際に業務用モニターを調整するとき、
印刷して手元に置けばチェックシート代わりにできるだろう。
https://www.itu.int/pub/R-REP-BT.2129 BT.2246
The present state of ultra-high definition television
超高精細テレビの現状
世界各国の基礎研究を包括的にまとめた内容。第6版発行は2017年。
実際の機材を運用するときのガイドブックにはならないが、さまざまな機関の研究成果が垣間見える。
考察レベルではなく、反証作業などを終えた確定レベルの情報も多い。
表示デバイスの先端研究成果を知ることができる、貴重な一次情報引用元として覚えておきたい。
http://www.itu.int/pub/R-REP-BT.2246
BT.2390
High dynamic rangetelevision for production and international programme exchange
番組制作および国際番組交換に使うHDRテレビ
OOTF, OETF, EOTFの定義、PQ<->HLG相互変換方法、各方式の概要などがまとめられている。
https://www.itu.int/pub/R-REP-BT.2390 BT.2408
Guidance for operational practices in HDR television production
HDR映像制作における運用方法のガイダンス
>>703-705 で紹介したが、撮影/編集を職業とする方は必読。
今後、HDRコンテンツ制作時に指標と成りえる、ルミナンス値が記載されている。
主要な被写体のルミナンス値が書かれた TABLE2 は、第0版(2017年10月)と第1版(2018年4月)で、内容が変わった。
第0版 物体 | cd/m2値 | PQ値 | HLG値
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肌色 | 地域によって異なる (値は未記入)
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森林樹木 | 30-65 | 39-47 | 40-55
氷の表面 | 155 | 55 | 71
放散白色 | 140-425 | 54-66 | 69-87
第1版 物体 | cd/m2値 | PQ値 | HLG値
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明るい肌色 | 65-110 | 45-55 | 55-65
中間の肌色 | 40-85 | 40-50 | 45-60
暗い肌色 | 10-40 | 30-40 | 25-45
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森林樹木 | 30-65 | 40-45 | 40-55
最新版は、2019年4月発行の第2版。ページ数は 19->35->41 と増える一方だ。
改版は、ページを増やすだけではない。内容の一部が書き換えられる場合もある。要注意。
油断せず、こまめな再チェックをおすすめする。
https://www.itu.int/pub/R-REP-BT.2408 公共空間で多数の人間が集団視聴する大型表示デバイスについても、ITU-Rは規格書を出している。
BT.2000
Use of large screen digital imagery Recommendations in video information systems applications
大画面デジタル映像(LDSI)を使う、ビデオ情報システム(VIS)を運用するときの推奨事項
BT.2000規格書自体は、あまり詳細を述べていない。
参照すべきほかの規格書番号を紹介し、振り分けている。
(BT.1662〜1666, 1679, 1680, 1686〜1690, 1694, 1721, 1727, 1734)
https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.2000/en
ITU-R BT規格書、主要なものを見つけやすいようURLがまとめられた一覧ページはこちら。
https://www.itu.int/pub/R-REP-BT/en
規格書紹介はここで一区切りし、終了する。
後日、注意喚起が必要と思われる事柄が見つかれば、随時投稿する。 ITU-R BT.2245 指定映像 使用制限
映像設備構築業者は、システム調整時や障害調査時、共通映像素材を必要とする事がある。
メーカー・輸入代理店・販売店は、技術セミナーや販売促進展示会をひんぱんに行う。
これらの状況で、前述の指定映像を使えるか否かの基準は、BT.2245規格書 Annex3項に書かれている。
許される使い方
a) 技術的評価
- 機器及びシステムの、研究開発
- 開発及び製造工程中の、機器試験
- 放送及び電気通信のための、伝送条件試験
- 機器のメンテナンス
b) 技術的デモ
- 技術会議やワークショップでの発表
- 展示会で、機器の性能と機能の発表
禁じられる使い方
商用制約
- 販売商品に同梱
- 販売商品の宣伝用デモンストレーション
コピーの配布
著作権者、あるいは許可された頒布者にのみ許される
ITU-R BT.2245-6 (2019年4月発行) 指定映像 撮影使用機材
解像度 1920×1080
カメラ: ソニー製 HDC-1500 / SRW-9000 / HDC-F950 / HDW-750P
ARRI製 D21
RedDigital製 RED ONE
レンズ: シネレンズ各種 (キヤノン製 or フジノン製)
レコーダ: アストロデザイン製 HR-7401
JiuHeCheng製 非圧縮HDレコーダ
解像度 3840×2160
カメラ: ソニー製 PMW-F55
レンズ: ARRI/ZEISS製 マスタープライム
レコーダ: ソニー製 AXS-R5
解像度 7680×4320
カメラ: ハッセルブラッド製 H4D-200MS
センサー種類 CCD
センサーサイズ 49.1×36.7mm
デモザイク後ピクセル数 8176×6132 pixel
色階調 16ビット
レンズ: 不明
レコーダ: カメラ挿入メモリカードにRAW記録