『(元)糞ゲー物語』

とあるヲタによって作られた、中世の世界を舞台にしたフリーのRPGは史上最悪の糞ゲーだった。
ストーリーはお使いだらけ(しかも少女勇者が女剣士・眼鏡少女僧侶・幼女魔法使いと供に、魔王を倒しに行く話w)でキャラも薄く、ゲームバランスは最悪。パクリだらけ。
辛うじてマシだったものはフリー素材の音楽と、絵描き友達がヲタに『ヨコドリストリートinドラエフ』で負けた代償としてしぶしぶ描いてくれたモエーなキャラ絵だけだった。

不評のためチャネラーには糞ゲ扱いされ、意味無しの攻略掲示板は荒らされ……公開されたのち、そのゲームは永久に封印される事になった。

しかし。
そのゲームのデータは、未だにヲタのPC内に残っていたのだ。

ある日ヲタの家のPCへ落雷した事によって(PCは何故か無事)、そのゲーム内にいた住民たちは自我を持つようになる。
突然他の住民と共に自我を持った少年……『村人D』。
永遠に立ったまま「ようこそアリヤハンへ!」と言うだけで物語が進んでもこれ以外のセリフは言わないよくあるキャラだが、自我を持った事により個性的なキャラに変わる事ができた。
そう、どんなキャラにでも個性は元々あったのだ。ただそれをプログラマーがゲーム中で表現していなかっただけ…。

そして新たな住民達の生活が始まった。
つっ立ったままではなく、現実世界の人間のように飯食ったり糞したり寝たり……な自由な生活が。

続く?