「町議会」
        農業、製造業を営む人たちの利益代表”町議員”20人と流通業商業を営む”商議員”20人、そして王国から任命された”騎士議員”10人が町の政策や自治の仕方について話し合う集まり。
        本来はそれぞれの利益が主張されるので、三者ともに大幅な不利益がかかるわけではないのだが、麻薬によって得た利益によって、複数の町議員・騎士議員が買収されており、もはや機能していない。
        町の財政の4割を占めていた流通税が実質ゼロになる法案が可決してしまったため、警察組織である自警団や警備隊も麻痺しており、事態は混迷を深めている。

        「騎士議員」
        騎士とは貴族の階級であり、主な務めは王国の各地方の自治を監督することにある。
        トアールの町には、町とその周辺の自治監督のために10数名の騎士が派遣されており、その内10名が町議会で騎士議員として他の議員との折衝にあたっている。
        町議員や商議員は自分達の利益のために働くが、彼らは王国の利益のために働く。さしあたり、表立っての話ではあるが。

続く