主人公は東京都大田区大森在住のプログラマー、三十歳童貞。
ある日、町内会の清掃活動で、近所のタバコ屋の婆ちゃんに、
「興信所の人に、あんたの事訊かれたよ」と耳打ちされる。
数日後、防衛関係の仕事でお世話になった航空自衛隊の元・空将補から
「頼みがあるんだが」という連絡があり、
婦人自衛官相手の技術系の講師の仕事が入る。
講習が終わってしばらくして、元・空将補から
大森海岸駅近くのマンションの一室に呼び出される。
そこには制服組・背広組を交えたお偉いさん数名がおり、
そして見覚えのあるジャージ姿の女の子三人が
恥ずかしげに畏まっていた。

「キミ、まだ童貞だよな?」と真顔で訊かれて
「ななななななな……何を根拠にそのような」と狼狽する主人公。
戦中は慰安所の設立やコンドームの普及による性病予防、
戦後は特殊慰安施設協会の設立と、政府・軍部・産業界と一体となって
日本の良家の子女の美風と貞操を守らんとし、東久邇内閣崩壊とともに
地下に潜ったグループが、小中学校における過激な性教育、
援助交際などの性風俗の乱れ、少子化や離婚率の上昇、
アダルトビデオに代表されるメディアによる誤った性情報の氾濫などによる、
日本の正しい性道徳崩壊に対する危機感から、
「本来あるべき男女の交わりのありかた」を発信すべく
マニュアルを作成しようというのである。
じつはそのマンション、戦後、「良家の子女の防波堤」として
占領軍の兵士のために設置された慰安施設第一号、
『大森 小町園』の跡地であった。

童貞男と処女三人が、百戦錬磨のプロのお姐さん方の指導のもと、
マニュアル作成のために四苦八苦。成果はいかに?