「あの施設も、利用できる期間が限られてるしねぇ……分析用の
ソフトだって、そうそう持ち出す訳にいかないし」と、“白”。
「データのサンプリングさえしちゃえば、処理側のソフトは
後からいじればいいわけだし、、それに……検体だって
もう用意できてるわけだし。それに、すぐ下が医療機関だから、
いろんな検査もすぐできるし、協力してくれると助かるんだけどなぁ。」
「うーん……あたしとしては気が進まないけど、
科学の進歩に貢献できるんですもんねぇ。」
「“科学の進歩”なんていう抽象的な言葉で
語ってほしくありませんね。“人類”に、
“人類の未来”に貢献できるんですよ?それって
女の本分だと思いませんか? “人類の未来”に、
この身を、そして純潔を捧げる……」
「素晴らしいわ! なんて素晴らしいの!」
「おーい、そこ、勝手に盛り上がんないように。」
「……と、いうわけで、協力してくださるわね?」
「すまん、できれば少々考えさせてくれ。」
「できません。考えないでください。」と“青”。
「お前が言うなぁぁぁぁぁあっ!」