「あきづき」型護衛艦は、FCS-3Aシステムの搭載によって限定的ながら艦隊防空能力を持ち、
これまでイージス艦が担ってきた能力を一部肩代わりすることが意図されていますので、防空能力は「はたかぜ」型より上です。
代わりに、スタンダードSM-3による弾道弾迎撃能力を持つ「こんごう」型、「あたご」型イージス護衛艦
(SM-3搭載と弾道弾迎撃能力付与は近々実施の予定。)は、艦隊行動から離れて、弾道弾迎撃任務に専念できます。
イージス艦は、弾道弾迎撃任務中でも自艦の防空くらいは自前で可能です。米イージス巡洋艦「シャイロー」や
「レイク・エリー」で、模擬弾道弾と通常の模擬標的複数を同時に迎撃する実験も行われ、弾道弾迎撃任務と
通常の対空迎撃は同時に可能と判定されています。「あきづき」型の主なポジションは、イージス艦を守るのではなく、
イージス艦が弾道弾迎撃任務で艦隊を離れたり、弾道弾追尾に伴って艦隊防空にまで性能を割けない場合に、艦隊防空を代替することです。
おそらく、次に新世代のDDGと呼ぶべき艦が計画されるのは、「こんごう」型護衛艦が退役を迎える時だと思います。