CIAが、沖縄県の尖閣諸島をめぐり、「領土問題は存在しない」とする
日本の主張を裏付ける内容の報告書を作成していたことが27日明らかになった。
報告書は、日米両政府が沖縄返還協定を調印する直前の1971年5月に作成。
当時の中華民国が、米国の尖閣諸島を含む沖縄の施政権に注文をつけたのを受け
CIAが調査を行ったもので、米ジョージ・ワシントン大国家安全保障記録保管室に保管されていた。
報告書は、中国で文化大革命の担い手だった紅衛兵向けに66年に刊行された地図を例に挙げ
「尖閣諸島は中国の国境外に位置しており、琉球列島、すなわち日本に属していることを示している」と指摘。
67年8月に北京で刊行された一般向け地図帳でも
「尖閣諸島は琉球列島に含まれる」と表記されていると報告している。
台湾でも「尖閣海域が中国側の境界内にあると表示する地図はなかった」とした上で
旧ソ連や無作為に抽出した欧州の地図にもそうした表記はないとした。
報告書は、「尖閣海域に埋蔵資源の存在が明らかになった後、中華民国が領有権を主張し
これに中国共産党政権が続いて問題を複雑化させた」と指摘。
歴史的にも国際法上も日本固有の領土であるとする日本の主張について
「説得力があり、尖閣諸島の領有権の根拠を示す責任は中国側にある」とし、
「尖閣諸島への中国のいかなる行動も、米国を日本防衛に向かわせるだろう」と結論付けた
これとは別に台湾当局は71年、中学2年生向け地理教科書「中華民国国民中学地理教科書」で
領土境界線を“改竄”し、尖閣諸島の呼称を「釣魚台列島」に改めていたことが判明している。
70年の教科書では「琉球群島地形図」で、同諸島を「尖閣諸島」と明示し
台湾との間に領土境界線を示す破線を入れ日本領としていた。
だが、71年に呼称を「釣魚台列島」に変更、破線を曲げて沖縄県与那国島北方で止め
領有権の所在を曖昧にしていた。