「日本国がペリー提督の下田入港より、広く世界と国交を結ぶようになった時から約百年の間、日本の歩みは困難を極めた。
自ら欲しないにも関わらず日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、満州事変、支那事変を経て、不幸にも貴国と交戦することになった。
あなたは我々を、あるいは好戦的国民であるとし、あるいは黄禍論をもっておとしめ、あるいは軍閥の独断専行であるとする。
思いもよらない言いがかりだ。あなたは真珠湾攻撃を不意打ちだと言って対日戦のために宣伝しているが
そもそもにおいて日本国が自滅を免れるため、こういう行動に出るほかないという程の窮地にまで追い詰めた。
そういうさまざまな情勢を、あなたはよくわかっているはずである。」

市丸利之助海軍少将     「ルーズベルトに与ふる書」抄訳