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12月6日、午後1時45分、輸送船団は仏領インドシナ南端洋上で
イギリス軍のロッキードハドソン爆撃機に発見され追尾された。
同日、寺内寿一南方軍総司令官は陸軍第3飛行集団長に
「本日英機ガ輸送船団ヲ偵知セル状況ニ鑑ミ、明早朝ヨリ敵機
来襲ノ虞多キニ鑑ミ、掩護・・・・」とし、敵来襲の場合には直ちに
マレー方面の敵基地、艦船に対し攻撃を開始せよ、と命令した。
第3飛行集団は、重爆、軽爆、偵察機計348機に加えて、陸軍の
代表戦闘機である1式戦闘機(隼)を主体とした168機の戦闘機を
保有する強力な飛行集団であった。
また、寺内は大本営陸軍部に「翌7日早朝ヨリ敵機ノ反復来襲ノ虞
大ナリト認ム」と報告し、敵空海兵力の攻撃を受けた場合は、海軍と
協同して航空機による進攻作戦を開始する旨を打電した。
12月7日夜明けとともに第3飛行集団の戦闘機部隊第12飛行団が
主体となって上空掩護を担当することになり、陸上基地を離陸した
戦闘機隊と司令部偵察機3機によって警戒態勢がとられた。
陸軍第12飛行団の97式戦闘機中隊は、輸送船団の上空掩護の
任務を終えて基地に帰る途中、海軍の零式水上偵察機を追尾して
いたカタリナ飛行艇を発見し同機に接近。最初に銃撃したのは飛行
艇の側だった、ということになっている。窪谷俊朗中尉機が後方に追尾
して、7.7ミリ機銃2丁で銃撃。発動機付近から炎が広がり、やがて海
面に落ちていった。仏領インドシナのパンジャン島西方約40キロの海上。