>>384
>出席していた山本五十六もこの時、まったく反対していない。
>以前は猛反対していたのに、この時はまったく異論は出なかったとのこと。

まったく違うな。すでに海軍内部の方針は決まってしまっていたのである。

その日の朝か前日かに、山本が及川大臣の所に事情を聞きにいったら、
及川と豊田から、「会議では、大角か永野か、軍事参議官の方から賛成と言ってもらう
ことになっている。伏見宮軍令部総長もその方針であるから、同意してくれ」
と告げられた。
それでも山本は会議で発言してるよ。

「私は大臣に対しては、絶対に服従するものであります。
大臣の処置に対して異論をはさむ考えは毛頭ありません。
ただし、ただ一点、心配に堪えぬところがありますので、それをお訊ねしたい。
私が次官を勤めていた当時の企画院の物動計画によれば、その8割は、
英米勢力の圏内の資材でまかなわれることになっていました。
今回三国同盟を結ぶとすれば、必然的にこれを失う筈ですが、その不足を補うために、
どういう物動計画の切り替えをやられたのか、この点を明確に聞かせて頂き、
連合艦隊の長官として安心して任務の遂行を致したいと存ずる次第であります」。

及川大臣は、これに答えず、
「いろいろ御意見もありましょうが、先に申し上げた通りの次第ですから、
この際は三国同盟に御賛成願いたい」
と同じことを繰り返した。

軍事参議官である大角岑生大将が、「私は賛成します」と発言し、
結局、一同賛成ということになってしまった、というのが真相である。