ただ、それでもマクダネルは鳥養(T−2)とは異なる知見を得ていたのだと推測できる。
F-4の主翼(つまりクリプトデルタとNACA標準翼型)について鳥養はあまり語っていないが、
俺が想像するにマクダネルは超音速で空力中心の後退をできるだけ少なくしようとしていたのだと思う。

超音速では空力中心が後退し、過安定になるからスタビレータで頭下げを補正するが、
そのために大きなドラッグが発生する。
ただし、それが実機においてどの程度の割合なのか世傑では今まで提示されたことがない。
かなり大きなものじゃないかと俺は想像する。