「ちょうど大和が完成する8日前、真珠湾攻撃でアメリカの戦艦を何隻も沈没させる大きな成果を出しました。このことから、軍部の意識は一気に航空機に向いてしまい、戦艦の影が薄くなったんです。

 大和には、レーダーの精度が低いという大きな欠点もありました。たとえば、アメリカの戦艦はレーダーで相手の艦隊を察知し、レーダーと艦砲を連携させることで、正確に敵を狙い撃ちします。

 大和は完成当初レーダーもついておらず、後から付けたものも、相手の位置がわかる程度で、艦砲と連携するまでには至らなかったんです。

 日本のものづくりすべてに言えることですが、ハード面は非常に強いけれど、ソフト面が弱かったと言えるでしょう」