トランプは「日本や韓国、ドイツやサウジアラビアは、米国の安全保障にぶら下がるばかりで、
米国の安全にあまり貢献していない」と言い、在日・在韓米軍の撤退も含め、日本や韓国との
安保関係を再交渉する姿勢を見せている。軍産系の勢力は「日本は(思いやり予算などを米国が
要求するだけ出し続け)米国に貢献している。トランプは日本を批判するな」といった論調を流布している。
http://tanakanews.com/160301trump.htm

 だが、米共和党の保守派の上院議員であるトム・コットンは「NATOに対する費用負担はかつて米国
と欧州がほぼ同額だったが、今では米国7割、欧州3割になっている。NATOに対する欧州諸国の
貢献が足りないというトランプの指摘は正しい」「トランプが、共和党の他の候補より劣っているとい
うことはない」と述べている。コットンはハーバード大を卒業後、米軍将校としてイラクとアフガンに駐留し、
オバマの対イラン和解策に反対する軍産系エリートだ。
 コットンはトランプに同調した後「トランプは欧州が金を出さないなら米国がNATOから抜けていくと言うが、
そうでなく、粘り強く欧州にもっと金を出させるよう仕向けた方が良い」と、軍事産業の受注を増やす方向の、
軍産ならではの主張を展開している。
http://tanakanews.com/160415europe.htm

まず在日米軍については、日本政府は思いやり予算を沢山出しているので、何の問題にもならない。
だがNATOと在韓米軍については、現在のところ米国の負担のほうが大きい。もしトランプが大統領になって、
「負担金を払わないなら米軍は撤退する」と主張した場合、おそらくNATO諸国も韓国も負担金を支払う
ことになるだろう。ヨーロッパの国々は中国の提唱するAIIB(アジアインフラ投資銀行)には群がる一方、
決してNATOを脱退しないし、決してロシア制裁を中止にしない。けれどもユーロファイターごときでは、
ロシア空軍には対抗できないと、トランプも軍産も見抜いているということだ。