市の集団
http://www.afpbb.com/articles/-/3123898?act=all

 10代の若者の自殺が相次いでいるロシアで、人気の高い交流サイト(SNS)で若者に自殺を扇動しているとされる「死の集団」の存在が明らかになり、
 パニックが起きている。

 報道によれば、ロシア版フェイスブック「VK」には「メンター(指導者)」的な存在が運営する秘密のグループが複数あり、参加メンバーに自殺を唆しているという。
 ロシアの独立系紙ノーバヤ・ガゼータによる昨年の調査でこうした集団が明るみになったことから、10代の子どもを持つ保護者は動揺し、
 自殺の話題が一般的にタブーとされている同国では激しい論争が巻き起こった。

 当局は昨年11月、15歳の若者にVK上で自殺を教唆したとして、死の集団のメンターの一人であるフィリップ・ブデイキン容疑者(22)を逮捕。
 ウラジーミル・プーチン大統領も事態に懸念を表明し、今月に入り、同容疑者に対して現行では最高3年の禁錮刑以上の厳罰を求めた。

 ブデイキン容疑者は、身柄を拘束される前に地元メディアのインタビューに応じ、自身にとって10代の若者は「生物分解する廃棄物」であり
 「社会に無価値な人間」だとして、若者たちを引き付ける手口を説明。

 「初めに、非日常的な雰囲気に陥れるような抑うつ的なコンテンツのグループを(SNSで)立ち上げる」「ユーザーがリンクをクリックして非公開グループに入ってきたら、
 ゲーム開始だ」と語っている。

■「社会を掃除しただけ」とうそぶく指導者

 ブデイキン容疑者は、若者たちに個人情報の共有と自傷など特定の「任務」の遂行を求めたことは認めたものの、
 「なぜ死ぬのが最善の道なのかを何人かに説明しただけにすぎない」「選択したのは彼らだ。誰も強制していない」として、自分はただ「社会を掃除していただけだ」と述べている。

 ノーバヤ・ガゼータによれば、死の集団はグループ参加者らに対して、「任務」を拒めば家族や恋人をつけ狙うと脅迫すらしていたという。
 死の集団の存在はロシア社会に衝撃を与えた。世界保健機関によると、ロシアの未成年者の自殺率は10万人当たり20人。世界平均より3倍高い。