>>186
それは防御を捨てるということになる。防空戦闘機や護衛艦を4つに分散することになり、1空母を3機程度で防空しなければならない。
また、分散すると、各空母の連絡電波で位置も露見しやすく、先制攻撃を受けやすく、奇襲も望めない。
ミッドウェーでは最初から情報が盗まれて位置が露見していたが、ミッドウェーのような状況に毎回陥るということを意味する。
利点は全艦やられるまでに時間を稼げるという点にある。戦闘のたびに空母を何隻か失うことが前提で、日本の生産力で米に対抗できるかが問題になる。
しかも、その利点も露見(攻撃を受けやすい)というリスクによって失われる可能性が大きい。
分散した三隻健在の米空母が残った一隻の飛龍に大きな痛手を負う結果になったように分散はもろい。

集中させることで、戦闘機と防空弾幕を集中させられる。連絡のため電波を発する必要もなく、位置が露見しにくい。
実際、ミッドウェーでも急降下爆撃までの攻撃を防ぎきっているし、攻撃を受けたのも急降下爆撃隊を発見できなかったからで、
戦闘機の防空は有効に機能していて、問題は敵の発見と味方の誘導にあった。
これは防御力を最大限に発揮できる反面、防ぎきれないと多数の空母を失う危険がある。

集中と分散にはこのようにメリット、デメリットが存在する。
「団子になっていた」ことに言及するものはいても分散の問題点を解決できた人間はいない。
だから、日米海軍の出した結論は団子にすることだし、アメリカの集中運用は鉄壁にまで達した。
集中は不意の攻撃にさえ備えれば問題はないし、集中を打ち破れるほどの攻撃力が相手にあるなら
分散した各艦に相手も分散して攻撃したら一挙に葬られ、分散の利点は何もなくなる。
難しい話だけど、集中の原則だけでも集中運用のほうが効率がいい。