アッツ穂積支隊 木下末一少尉の日誌より抜粋
(キスカへ派遣中)


6月1日(火) 晴

もう日記をつづるのが嫌になった。玉砕したら、なんにもならないのだからやめようと思った。
しかし、死の瞬間まで必要なことだけは──と考え直して書きつづけることにする。
夜、高張隊長以下、わが小隊の送別の宴を催してくれる。
最後の酒か──。