「メキシコ国境の壁に太陽光パネル」 トランプ氏が示唆
2017/6/9 6:00日本経済新聞 電子版
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO17456420Y7A600C1000000/

 米国のドナルド・トランプ大統領が、メキシコとの国境沿いに建築すると公約している壁(フェンス)に太陽光パネルを設置するという案を、共和党の首脳らと2017年6月6日に開いた会合で示唆したことが明らかとなった。

 消息筋による情報をウェブメディアの「Axios」と「Politico」が伝え、主要な米メディアが報じたもの。

 トランプ大統領は、与党・共和党のポール・ライアン下院議長やケビン・マッカーシー院内総務らをホワイトハウスに召集し、主にヘルスケアや債務の上限などについて協議した。その会合のなかで、大統領が国境の壁を太陽光パネルで建築してもよいのではと示唆したという。

 不法移民の入国を阻止するためメキシコ国境沿いに壁を作るというトランプ大統領の公約では、その建設費をメキシコ側に負担させると主張していた。しかし、メキシコ側はこの案に強く反発、その後も公約の実現はほとんど進展していない。

 与党・共和党が上下両院を押さえている米議会でも、この壁の建設費は予算化されていない。このような状況下、消息筋によると、太陽光パネルを設置し売電による収益で建設費を賄うという案もあるとトランプ大統領が示したという。

 米国土安全保障省(DHS)に対しては、今春の時点で少なくとも2社が太陽光パネルを含む国境の壁を提案していたとしている。

 米国のエネルギー政策をシェールガスや石炭などの化石燃料主体に回帰させるとみられるトランプ大統領は6月1日、気候変動を抑制するための国際的な取り決めである「パリ協定」を離脱すると発表したばかり。

 一方、メキシコ国境沿いの壁に関しては公約通りに建設するめども立っておらず、太陽光パネルによる売電収益で建設費を賄うという案は、いわば「苦肉の策」と言える。

 米国とメキシコとの国境の総延長は約3200kmである。仮に1枚ずつ並べたとしても、国境すべてをカバーするには200万枚、約500MW相当の太陽光パネルが必要となる。

(以下、略)

(日経BP総研 クリーンテック研究所 大場淳一)
[日経テクノロジーオンライン 2017年6月8日掲載]


・・・お、おう(;^ω^)