──和田川を渡り、斜面をのぼる。闇と霧をやぶって曳光弾がとんでくる。
  その中を、部隊長が軍刀をふりかざして走っていく。足を負傷している私は遅れる。
  峠についたようだ。夜は明けようとしていた。
  (中略)
  ──曳光弾が、部隊長の身辺に集中した。部隊長はふたたび倒れた。
  副官の津屋大尉がかけよって、
  「部隊長どの!」
  と叫び、伏したまま部隊長の体を揺さぶった。山崎部隊長は二発の弾をうけていた。
  「頼む! 前へ・・・」
  津屋大尉は、一礼して、そばをはなれた。

  流氷の海より『玉砕アッツ嵐』

>>69
色んな方の資料やメモを拝借してる化け狸なので、人前に出るとボロが出ます・・・
ありがとうございます!! もう少し続きます・・・