<持続可能性の原則>
 世界の持続可能性のために,私は,環境,保健,アフリカを重視する。解決の鍵は技術力とイノベーション。日本とドイツが得意とする点だ。私は両国の協力を一段と深めたい。
 地球温暖化が,人類の生存ベースである地球を様々な危機に直面させて久しい。気候変動は,世界の全員に降りかかる問題であり,同時に,今を生きる我々が未来の世代に責任を負う問題だ。
だから,世界が一体となって喫緊に取り組むべきである。この意識が共有されたことで,テロの直後にあったパリに世界の首脳が集まり,パリ協定を結実させた。
 オイルショックが続いたが,資源価格の高騰が省エネ投資を経済的に正当化し,燃費の良い自動車や工場での生産性の向上が日本製品の競争力を高めた。私が20歳代当時に勤務した製鉄工場の熱利用効率の高さは,世界のトップクラスになった。
 今,日本は,この技術力を,地球を守るために,未来の世代のために発揮したい。日本自身,もともと他の国より温室効果ガス排出量が低いが,これを2030年度にはさらに26%削減するとコミットした。
水素社会への転換に向けた燃料電池車,液体水素の安全輸送システム,太陽光パネルとLEDを組み合わせた電力供給などを実用化し,多くの人々の利用に供したい。