9条加憲でも「自衛隊」の3文字が書けない理由
 編集委員 清水真人 2017/7/18
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO18868140U7A710C1000000/?dg=1
 首相の安倍晋三が打ち出した憲法9条への加憲案。今の1項、2項を残したまま「自衛隊の存在をしっかりと位置づける」などとしている。
自衛隊の「現状追認」が目的だと自民党内では受け止められているが、そんな一筋縄ではいきそうもない。
固有名詞の「自衛隊」を憲法に明記するのは適切ではない、などの異論が、意外にも改憲容認論に立つ専門家からも出始めた。

■合憲化だけなら明記不要
井上武史九大准教授(憲法)はむしろ固有名詞の「自衛隊」を憲法の条文に書き込むことは「理論的には難しい」とみる。
統治機構の中で、憲法に書かれている組織は国会(衆院、参院)、内閣、最高裁などの裁判所と会計検査院に限られる。”
「自衛隊」を明記すれば、これらと並んで「憲法上の組織として位置づけられ、極めて正統性の高い国家組織になる。
違憲論を封じる手段としては過剰かもしれない」と慎重論を説く。
自衛隊を管理・運営する防衛省は国家行政組織法と防衛省設置法で規定され、憲法上の機関ではない。
井上は、自衛隊だけを憲法に明記すれば、「現状追認」どころかバランスを失して「組織上の独立性や固有の権限を認める根拠にもなりかねない」と危ぶむ。”
憲法条文では「実力部隊」「実力組織」など一般名詞にとどめ、自衛隊は「法律で設置する」趣旨をはっきりさせるのが望ましいと強調する。


まあ陸海空の明記もやめた方がい。増えたりするかもしれないから。