文学部って何の役に立つの? 阪大・文学部長「本領を発揮するのは、人生の岐路に立ったとき」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170723-00000001-withnews-sci

大阪大学文学部長で、大学院文学研究科長も務める金水敏さん。話題になっているのは、
今年3月に開かれた文学部・文学研究科の卒業・修了セレモニーでの式辞です。

「税金を投入する国立大学では、イノベーションにつながる理系に重点を置き、文系は私学に任せるべき」
といった意見が出たことなどを挙げながら、「文学部で学ぶ哲学・史学・文学・芸術学等の学問を学ぶことの意義は、
どのように答えたらよいのでしょうか」と問いかけます。
「医学部」「工学部」「法学部」「経済学部」などの実例を挙げた上で、
「先に挙げた学部よりはるかに少なそうです。つまり、文学部で学んだ事柄は、職業訓練ではなく、
また生命や生活の利便性、社会の維持・管理と直接結びつく物ではない、ということです」とした上で、こう述べます。
「しかし、文学部の学問が本領を発揮するのは、人生の岐路に立ったときではないか、と私は考えます」

「今のこのおめでたい席ではふさわしくない話題かもしれませんが、人生には様々な苦難が必ずやってきます」
「恋人にふられたとき、仕事に行き詰まったとき、親と意見が合わなかったとき、配偶者と不和になったとき、
自分の子供が言うことを聞かなかったとき、親しい人々と死別したとき、長く単調な老後を迎えたとき、
自らの死に直面したとき、等々です」
「その時、文学部で学んだ事柄が、その問題に考える手がかりをきっと与えてくれます。しかも簡単な答えは与えてくれません。
ただ、これらの問題を考えている間は、その問題を対象化し、客観的に捉えることができる。
それは、その問題から自由でいられる、ということでもあるのです。
人間が人間として自由であるためには、直面した問題について考え抜くしかない。
その考える手がかりを与えてくれるのが、文学部で学ぶさまざまな学問であったというわけです」


つまり役に立たない