>>303
電力系統維持の点から見ると、電池に致命的な欠点があります。
「直流しか発生できない」「出力・力率を自由に変えられない」ということですね。

直流送電にすれば良いじゃないか!なんて怖いこと主張されるがいますが、
直流は簡単に電圧を変えられないので、特定の2地点をを結ぶ送電線ならともかく、
分岐した送電網を作るのには全く不向きです。
しかも電流量が大きいと遮断がきわめて困難ですから、危なっかしくてしょうがありません。
結局、送電するなら交流ということになります。

そうなると今度は力率が変えられない直流電源は、扱いにかなり困ります。
力率は、「皮相電力に対する有効電力の割合」といわれますが、
交流の場合、回路を行ったり来たりしているだけの「無効電力」と、
「実際にエネルギーの源となる有効電力」が、同時に流れています。
今回は細かい話を省きますけれど、この二つを調整し続けないと、送電線で上手く電力を送れません。
交流同期発電機なら、無効電力の供給量を変えられますけれど。
また交流発電機は回転数で周波数を簡単に制御できます。

直流しか発生しない電池でこれをやろうとすると・・・直流モーターで発電機を回します?

発電側に電池をおくとするなら、結局無効電力の調整には、発電機から無効電力を供給することになるので、
コストと能力考えると「頑丈で燃料コストの安い交流発電機」(≒原子力機)が、欠かせなくなってしまいます。