ジブチ訪問時、ド派手なサングラスにリゾートルックで現れても、
ハイヒールで護衛艦内を闊歩しても自衛官たちは稲田氏をサポートしてきた。
だが、今回ばかりは反乱の狼煙を上げた。

「特別防衛監察の知恵を出したのは安倍、菅両氏の信頼が厚い黒江哲郎事務次官でした。
黒江氏は当初、菅、稲田両氏に相談しながら監察を進めた。
日報隠しの責任について稲田氏と防衛省の内部部局は不問にし、すべて陸自に押しつけるというシナリオだったそうですが、
これに反発した若手幹部たちがメディアにリークし始めたといいます」(防衛省関係者)

2月15日に開かれた幹部会議で、稲田氏は黒江事務次官、岡部俊哉陸上幕僚長らと対応を協議。
稲田氏が日報の電子データ保管の事実を非公表とすることを「了承」したことが7月19日、一斉にメディアで報じられた。

稲田氏は「そうした事実はない」と否定し、火消しに躍起になると、今度は幹部会議の議事メモが暴露された。

「2佐、3佐の若手“反乱将校”たちが情報戦を仕掛けたと言われています。
これに陸自OBも結束して応援した。閉会中審査(24、25日)直前というタイミングも巧妙だった。
岡部陸幕長はすでに辞意を固めていましたが、一連の報道によって、もはや稲田氏辞任の流れも止めようがなくなったのです」(同前)