>>363
誰しもがロリータのハンバートになる可能性を秘めいているのだと俺は思うね(´・_・`)
例えばナボコフの小説に登場するハンバートは、ドナウ川の高貴な血を受け継ぐ知識人であり、理知的で貴族的な振る舞いを見せる常識人だ
裕福な子供時代に聡慧を吸収し、芸術を嗜み、ヨーロッパ的なマナーを身に付けた、彼に会った誰もが好感を抱く青年。それがこの有名な小説の主人公だった。
だが、執筆作業に専念すべく下宿した先で出会った少女、ロリータ。この小さな美女は、その後の彼の人生を大きく狂わせることになる。
大の大人を狂わせるニンフェット。天真爛漫と欺瞞、魅力と下品さを詰め込んだ肉体。ハンバートに言わせれば、彼女こそが「命取りの悪魔」だった
同様の構図は他の小説作品でも見られる。キーツの詩の非情の美女、プロフペル・メリメの「カルメン」およびエドガー・アラン・ポーの「アナベルリー」はまさにその代表といえよう
まあ、海のほとりで夜空を仰ぎ、亡き恋人を星に描く純真なポーの詩に比べれば、ハンバートはあまりに自己中心的で冒涜的な人物だとは思うがね
誰もが心のうちに秘める精神の監獄に、愛する人を閉じ込めたいという欲求を抱えていることを噛み締めねばならないとここに主張したい