揺らぐ米の優位 日本の役割重要に

米太平洋艦隊で情報作戦部長を務めたジェームズ・ファネル退役海軍大佐らは今年1月、ウォール・ストリート・ジャーナル紙への寄稿で、
中国海軍は2030年までに主要水上艦艇を430隻以上、潜水艦を約100隻保有するとの分析結果を明らかにした。

ファネル氏らは「中国艦隊は15年以内に規模と能力で米海軍を劇的に上回るだろう」と主張。
中国の艦艇建造ペースは落ちていくとの見方もあるが、同氏らは「今後15年以上は衰えない」と断言した。

これに対し、米海軍は270隻台に落ち込んだ艦艇数を308隻まで戻すのが現在の計画だ。
「米軍再建」を掲げるトランプ大統領は350隻に増やすことを主張し、海軍も昨年末にまとめた戦力構成評価で355隻が必要との見解を示した。

仮に355隻の目標を達成できたとしても、猛烈な勢いで海軍戦力を増強する中国の500隻にはとても追い付かない。
しかも、米議会予算局(CBO)の試算では、355隻体制を構築・維持するには予算を3割以上増やす必要があり、厳しい予算の制約下で実現するのは容易でない。

中国海軍は「量」だけでなく「質」も高めている。
有力シンクタンク、新米国安全保障センター(CNAS)は、5月に発表した報告書で、
中国海軍は30年までに東シナ海、南シナ海、黄海を越えて太平洋、インド洋でも作戦を展開できる「ブルーウォーターネイビー(外洋海軍)」になると主張した。

報告書は「米国が数十年にわたり享受してきたほぼ無競争の海軍の優位は、中国海軍の急速な台頭によってもうすぐ終わる」と指摘。
中国が世界中に戦力を投射できる能力を備えることは、
「国際政治を大きく変え、安全保障面での米中の競争をグローバル化させる可能性がある」と警告した。


http://www.worldtimes.co.jp/world/asia/79984.html

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4月26日、中国遼寧省大連で進水式が行われた同国初の国産空母(UPI)