>>520
> じゃあなんで正規空母にF-35B載せないんっ手話になる

少しは頭を使って考えてみたらどうだ、CATOBAR空母のニミッツ級やフォード級でSTOVLのF-35Bを運用しようとしたらどんなことになりそうかを。

アメリカ海軍の正規空母つまりニミッツ級などのCATOBAR空母は敵地を攻撃して燃料・兵装ともに使い果たした戦闘機を着艦させて
直ちに燃料と弾薬を補給して再出撃できるように飛行甲板上のどのエリアで燃料補給をし、どのエリアでミサイル等の兵装搭載をし、
どのエリアで待機させてどういう動線を使ってどのタイミングでカタパルトに行くか、また破損して再出撃できない機体は
どういう動線でどのエレベータを使って格納庫へ下げたり或いは飛行甲板のどのエリアで再出撃作業の邪魔にならないように待たせるかといった事柄を
緻密に計画してマニュアル化し、飛行甲板で作業する空母クルーはそのマニュアルに厳格に従って艦載機を運用することで事故の発生を防いでいるのだ。

ところが、ここにF-35BというSTOVL機が加わったら何が起こるだろうか?
ヘリと違ってF-35Bが着艦する際のジェットブラストは高温高圧で飛行甲板上の作業クルーたちにとっては非常に危険な代物だ。
どこにでも降ろして良いという代物じゃない。しかもその高温は高張力鋼でできた空母の飛行甲板すら痛めかねないから、特殊な耐熱処理を飛行甲板の必要箇所に施さねばならない。

更に、そういう「危険で厄介」な機体が斜め飛行甲板に着艦するCTOL戦闘機と混じって運用されることになれば、スーパーキャリアの始まりである
フォレスタル級から50年以上にわたってアメリカ海軍が営々と改良を重ね安全性を積み上げて来た飛行甲板作業のエリア分けや動線を定めるマニュアルの内容は
リセットされてしまい、飛行甲板上の作業やエリア分けと動線を全面的に見直して一から作り直さねばならない。

この飛行甲板作業マニュアルの全面改訂には莫大な労力と時間とが必要だし、当面はマニュアルの不備による事故(もちろん人が死ぬレベルも起こり得る)も多発するだろう。
海軍としては、海兵隊の分遣隊の少数の機体(せいぜい1個VMF(A))のためにそんなリスクの高い面倒な作業などやってられないのだよ。しかも空母本体も耐熱改修が必要とあってはね。