「アメリカの行動を少し見守る」
「非常に賢明だ」――。
金正恩とトランプの神経戦が続いている。
もし米朝開戦となれば、北朝鮮は消滅、アメリカも米兵5万2000人が犠牲になるとシミュレーションされているだけに、どちらも簡単にドンパチできないのが実情である。

だからか、アメリカで、北朝鮮の核保有を認める“容認論”が急浮上している。

オバマ政権で大統領補佐官を務めたスーザン・ライスは、ニューヨーク・タイムズ紙に
「歴史的に見て、我々は北朝鮮の核兵器に耐えることができる」と寄稿している。
北朝鮮の核保有はやむを得ないという立場だ。ライスと同じように
「世界はすでに核を持つ北朝鮮と共に暮らしている」と容認論を唱える専門家が次々に現れている。

実は、アメリカと北朝鮮は、すでに昨年から北朝鮮の核保有を前提に交渉していたフシがある。
韓国紙「中央日報」が昨年5月、アメリカと中国が、北朝鮮の「核拡散防止条約」(NPT)への復帰をめぐり水面下で接触していると報じているのだ。
もちろん、北朝鮮は中国と協議していた。北朝鮮の核保有を認めたうえで、NPTへ復帰させ、核を管理しようということだ。

金正恩も当時「朝鮮労働党大会」で、「責任ある核保有国」を名乗っている。
「責任ある核保有国」とは、NPTに復帰し、“核はテロリストには渡しませんよ”というメッセージだとみられている。

この先、容認論は強まるのか。意外にもアメリカにとって容認論は現実的だという。
「アメリカにとって最悪なのは、北朝鮮の核がアメリカに向くこと、ならず者国家やテロリストの手に渡ることです。
だったら、いまある核の保有を認めたうえで、これ以上の開発を凍結させ、厳しく管理させた方が得策だという声は根強くあります。
インドやパキスタンと同じ扱いです。何より、北朝鮮が核を保有していることは現実だし、圧力だけでは開発をとめられないことはハッキリしていますからね」(外交関係者)

トランプは大統領選の時、日本の核武装を容認する発言をしていた。
予測不能の男だけに、何を言い出してもおかしくない。

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