米軍の中国への即応能力低下が懸念されているが、一連の中国側の動きを、どうみるべきか。

 軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「新型コロナウイルスに世界が苦しんでも、中国は関係はないと
いわんばかりだ。中国は、東シナ海などを自国の“領海”とみなし、ハワイなどを通る『第3列島線』まで
の海域では何をやっても良いと一方的に考えているようだ。まさに傍若無人。沖縄・尖閣諸島周辺に連日、
中国当局の公船が侵入するのも、その一環といえる」と語った。

 違った見方もある。

 中国事情に精通する評論家の宮崎正弘氏は「習主席が、人民解放軍の海軍司令官を陸軍出身に代え、海軍
はムクれている。一連の動きは、海軍の一部や管轄下の組織による『暴発』の可能性がある。軍を掌握しきれていない習氏への『嫌がらせ』かもしれない。
中国海軍は予算配分も待遇も不満が鬱屈している。
その表れかもしれない」と分析している。