地政学的な観点から予測すると、BRICsの次に発展する国として5つの国が挙げられると思う。
それは韓国、台湾、ベトナム、トルコ、ポーランドである。
人口規模は地域大国のレベルにはあるが、世界的な大国と呼べるほど大きい規模ではない。

これら5か国に共通するのは中国かロシアに隣接する地域大国という点である。

アメリカ合衆国にとって最大の仮想敵国は中国とロシアであり、
現在も中国とは南シナ海・東シナ海、ロシアとはクリミア半島の領有権問題で争っている。
シーパワーであるアメリカ合衆国が最も恐れることは、
ユーラシア大陸全体が強大なランドパワーによって支配されることである。
かつてはドイツ「第三帝国」、ソビエト連邦、現在は中国とロシアを危険な存在として認識している。

そのようなアメリカ合衆国にとって、中国とロシアに隣接する地域大国は両国を牽制する上で非常に重要な存在である。

韓国・台湾は現在もアメリカ合衆国の同盟国であるが、中国との戦争の際に最前線となるのが韓国・台湾である。
また、ベトナムは陸路においても海路においても、中国がアジアに進出する際の玄関口となる。
トルコもロシアが黒海から地中海へ、あるいは中東へ進出する上での要衝である。
ポーランドはロシアの侵攻からヨーロッパを守る防波堤であり、歴史的にもドイツとロシアが争ってきた国である。

アメリカ合衆国は中国とロシアへの抑止力として、今後5か国を積極的に自陣営に繋ぎとめようとするはずである。

中国は経済的支援によって発展途上国を自陣営に取り込み始めているが、
アメリカ合衆国はそれを上回る規模の経済的支援を5か国に行っていくだろう。
見返りはアメリカ合衆国に対する軍事的な協力である。