>>349
面白そうなものが眠っている国ではあるみたいなんですよね…

816 :名無し三等兵:2006/05/02(火) 11:54:14 ID:nYOFFpM4
これで終わると流石に只の嫌な奴なのでネタを投下する。
今、本屋に行くと『ロシアSFの旅』という本が売ってるのだが
一読、面白いことが書いてあった。ソ連崩壊直後、それまで発表の場が
なかった(文学官僚の検閲を通らないと本が出せなかった)SF作家たちが
大挙して躍り出たそうだ。そして彼らが好んで書いたテーマが 歴 史 改 変

代表的な作品がいくつか紹介されている。

革命が起こらずロシア帝国が続いている世界を描く
ルィバコフ『重力戦艦ツェザレヴィッチ』
これはまずストルガツキーから直接手渡される「かたつむり賞」を受賞。
そして向こうの星雲賞に相当するインタープレスコン賞を受賞。
さらに向こうの日本SF大賞に相当する遍歴賞の歴史改変部門(!)を受賞している。
あとグレートリンク賞(読者郵便投票)とベリャーエフ(ドウエル教授!)記念賞も。五冠って。

またソ連がドイツに征服された世界を描くラザルチューク『別の天国』も人気が高いそうだ。
この作家さんは「ミイラ」という短編が昔のSFマガジンに翻訳されている。
クレムリンに眠るレーニンのお肌がつやつやなのは
遠足で訪れる少年少女たちの生気を吸い取っていたから、という
ソ連が崩壊しなければまず発表できなかっただろう作品。
向こうの都市伝説が元ネタなのかなあと勝手に想像。

シニャーキン「世界の果ての僧侶」は無実の罪で収容所に入った男の物語で
実はその世界は異なる歴史を歩む平行世界という話だそうだ。
平行宇宙でも収容所スタートというあたり業の深さが伺える。
あと評判が高いのは、ヴェルシニン「連邦最初の年」 ザイチク「ユーラシア狂詩曲」
などなど盛りだくさん。