日本の美の典型ってのは王朝文学にあるわけよ
だからこそ古文じゃ必ず枕草子と源氏物語をやるわけ

ヨーロッパだとこれがギリシャ・ローマになるんな
だからルネッサンスって話になるんよ

してみると、文学というか、言語による美の追求ってのは、
常に失われてしまったものに対する憧憬に支えられてて、
それはパーソナルなものではあり得ず、
共意識に支えられた美の典型に対する憧憬という形で現れるわけよ

で、現代って時代は、その共意識が拡散して、
また個人に収縮していくそのプロセスであって
それを時代性と表現するわけなんだな