>>180
 どうなんでしょうね。1ドル2円というのは概ね正しいと思いますが、私も戦間期の経済資料はそれほど手元にないのものの、
対米英為替相場で言えば100円当たり平均
   米ドル  英シリング/ペンス
1919 51 3/8  2/3
1925 40 3/4  1/ 8 1/4
1929 46.070  1/10.755

 対米英では1924〜25年あたりで円がかなり弱っていますね。
その後やや持ち直しますが対英では1929年でもかなり円安のまま殆ど半額セールです。
 輸出ではともかく資源や資材の輸入には大きく不利な時期が八八艦隊整備時期に重なりそうです。
実際に八八艦隊計画が実行されれば予想された費用を数割〜2倍程度まで上回る可能性が高そうです。
 
 しかもこの時期の経常収支、1912〜1921 244.0(百万円)の好景気の後、
1922〜1931 △207.6(同)と利益を吐き出してしまっています。
まあその後は対支対満で数字上持ち直してくるのですが。
 その結果として関東大震災の復興や日露戦費の借り替えなどのための新規債券(国債地方債社債)は
1923〜1931年で米国1,074(百万円)、英国561(同)。
大戦で疲弊したと言われる英国からも更に巨額の費用を借り入れたばかりか、
米国からはその2倍もの借り入れをしたことになりますね。

 一方正貨在高もこれに伴い1920年2,178,623(千円)、1925年1,412,671(同)、1930年959,678(同)と半減する勢いです。

 協調路線を捨て艦隊整備に邁進した場合、上記以上に円相場の値崩れや経常収支の悪化が起こり、
また米英での国債地方債社債の募集が果たしてあれで済むか、それ以前に買ってくれるか、問題は山積のように感じますが。