そのケーヒンを率いるのが、去年、社長に就任した横田千年さん(59)です。
もともとホンダのエンジニアで乗用車の開発をしてきました。
大学生のころ、大ヒットしていた初代シビックに憧れホンダに就職。
アメリカの大型V8エンジンの音だけを録音したレコード鑑賞が楽しみだったというほどの“エンジン好き”でした。
そんな横田社長が、皮肉なことに、エンジンからモーターへのEVシフトに直面しているのです。
横田社長: 私たちの会社は、売上げの半分くらいがエンジン部品系なので、非常に大きな影響があると思っています。
エンジンだけじゃなくて、排気管から何から全部変わっていくので、過去100年間の仕事のやり方が全く変わっちゃうと思っています。
取引先もたくさんいるので、自動車の電動化は、考えただけで恐ろしいことです。
ヨーロッパで見たものは…
9月に開かれたドイツ・フランクフルトのモーターショー。
そこに横田社長の姿がありました。
展示されている最新の電気自動車のボンネットを開けて、モーターや部品を食い入るようにチェックしていました。
ヨーロッパでは、7月にイギリス・フランス政府が2040年を目標にガソリン車やディーゼル車の販売を禁止することを相次いで発表。
予想を超えるEVシフトが加速していることに焦りをあらわにしました。
横田社長: 去年9月のパリモーターショーの際に、「電気自動車が来るぞ」という話は聞こえてきましたが、この夏に英仏や中国がEV強化の方針を出して、いよいよ動き出したと。
全部、たったこの1年の話です。思った以上に急激な流れですね。
https://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2017_1019.html