超大型空母に未来はあるのか、RAND研究成果に見る小型空母の可能性
https://aviation-space-business.blogspot.jp/2017/10/rand.html
RANDは構想を四つに分け、それぞれで長所短所が大規模戦闘で露呈するという。

ハイエンドが10万トン原子力空母構想(CVN 8X)
フォードよりわずかに大きく高価格の選択肢だ。RANDは建造単価を下げた場合ソーティ形成能力つまり
機材の着艦、燃料補給、装備再充填ののち発艦させるくりかえしが「わずかながら低下する」と結論づけた。
フォード級でも開発にあれだけの予算がかかりながら、バグ対応していくと節減効果は期待できない。

ローエンドが2万トン通常動力空母(CV-EX)
第二次大戦中の護衛空母の現代版だ。ここまで小さいと空母航空隊全部の運用は無理でF-35BやV-22並びに
ヘリコプターの運用しかできない。かつ機数が限られる。電子戦機材は大型空母や陸上基地から運用を迫られる。
あるいは新規開発の垂直離着陸機に支援任務を期待するしかないだろう。
そうなると護衛空母構想は「実用性に乏しい」とRANDは結論付けている。
この中間に興味を引く選択肢が用意されている。

7万トン原子力空母(CVN-LX)
フォードより3割小さいがフルサイズ飛行甲板で同じ機材を運用できる。
(同規模の通常動力空母の提案も英クイーンエリザベスやかつてのUSSフォレスタルなどの例がある)
この艦だと同じ一日でもフォードのソーティー数に及ばないが、RANDはこのことは「ストレスのかかる戦闘シナリオでは
制約条件にならない」と結論付けている。深刻なのは7万トン艦が搭載する一機あたり弾薬燃料量はフォードより低くなる点だ。
このため同艦は再補給が頻繁に必要となり、戦火の環境では望ましくない。

4万トン通常動力空母(CV-LX)
現行の強襲揚陸艦USSアメリカを大型化した構想だ。アメリカ同様にこの艦の飛行甲板も小さいため運用はF-35、
V-22、ヘリコプターしか期待できず部支援も必要になるが、護衛空母構想よりは支援度合いは低くできる。
艦そのものも現行艦を発展拡大すればいいので「低リスク」かつ費用対効果が高いとRANDは見ており、
二隻あればフォード級一隻の機能のほとんどが期待できるが、全部とまでいかず、艦隊に追加負担をかけない代替策にだという。