覇者の戦塵1945 戦略爆撃阻止
艦上偵察機「彩雲改」が敵信を傍受。本土戦略爆撃を狙う米艦隊の偵察に踏み切るが、そこに新たな敵影が......。戦局はいよいよ佳境へ。

前巻があまりにもショ−トレンジの戦いだったので、今回はめいっぱい視野を大きく広げて物語を収束させる方向に持っていこうとした。
念のために書いておくと、戦塵世界における部分的な挿話を収束させるのではない。
『覇者の戦塵』全体のストーリーを、本気で終わらせようとしたのだ。

無論、一冊で終わるとは思っていない。最初の一冊『北満州油田占領』が刊行されたのは、ブッシュ親父が湾岸戦争をはじめた時だった。
今回をふくめて収束に3冊は必要だろうと踏んでいた。ところが30年ちかく書きつづけた結果、広げた風呂敷は薄膜化して容易にたためなくなっていた。
最初のころは最大限に頑張っても満帆の北前船くらいだったが、いまではダイソン球殻を半分に割ったような光帆(ライトセイル)と化している。
そんなものが本当に飛んできたら怖いが、心配はいらない。双丘の巨乳型ライトセイルにすれば(以下略)

結果は予想どおりだった。作者の意志に反して、登場人物たちが総出で遅延行動をはじめることは予想していた。
今回にはじまったことではないから、こちらも対策を考えている。
既刊本には登場しなかった新しいキャラクターを投入して、しがらみを断ちきろうとした。
結果は逆効果だった。ストーリーに介入して、収束を拒否しそうなキャラクターが始動をはじめている。

本当に、あと二冊で終わるんかいな。



いつの間にか甲州の新刊が出ていた